<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>得体の知れないモノ

つい2ヶ月前に新居へ越して来たんだが、
そこで不思議な体験をするようになった。

玄関と居間がドアで隔てられているんだけど、
そのドアにはおおきな擦りガラスが。

ちょうど成人男性の身長くらいの高さまで
ガラスになっている。

新居に越してきてしばらくして、
夜中にいきなりものすごい物音で目が覚めた。

バァンッ、バァンッ、バァンッ

とドアを叩く音。

擦りガラスが壊れんばかりの勢いだ。

誰か侵入者か?
と思ってドアを開ける。

誰もいなかった。

玄関は鍵が掛かっていたし、
戸締りを確認してドアをしめた。

すると、
そのドアの向こう側からうめき声が。

「うえあいお・・・うえあいお・・・うえあいぉ・・・」

バァンッ、バァンッ、バァンッ

うわー、
近所迷惑になるからやめてくれ
と正直思った。

音とうめき声はドアの向こうから聞こえてくる。

でもガラス越しから見ても
何も写っていない。

不思議とあまり恐怖はなく、
苛立ちのほうが先にたって

「いいかげんにしろよ!」

と怒鳴ってしまった。

すると物音は止んだ。

それから1週間たった頃だろうか。

居間での片付けをしていると
ふと視界の端に気配を感じた。

振り返ってみると、
おおきな擦りガラスの向こう側で
黒い影が張り付いていた。

ちょうど自分よりやや低めの男?女?が
両手を顔の横に広げていた。

擦りガラスなので表情や顔はよくわからないが、
口をあんぐり開けてなにやら呻いている。

といっても、
うめき声も物音も聞こえず。

しばらくすると
黒い影の彼はすっと消えていった。

誰か侵入者か??
と思ってドアを開ける。

そこには誰もいなかった。

戸締りを確認し、
自分はまた居間で片付けを。

すると、
またべたーッと黒い影が張り付いてきた。

思いっきり衝突するくらいの勢いのはずなのに、
物音ひとつしない。

その間、彼はなにか呻いていた。

消えては張り付き、
消えては張り付きを繰り返し、
そのうち自分もいらだってきて

「いいかげんにしろよ!」

と言ってしまった。

すると黒い影はもう現れることはなかった。

さらに1週間たった頃、
また夜中にものすごい音が。

ドアを見ると
擦りガラスが大きく割れていた。

向こう側にはなにも、
誰もいなかった。

こんだけものすごい音なのに、
近所には聞こえないんだろうかと不思議に思ったが、
それよりガラスを霊だかなんだか得体の知れないモノに割られ、
こちらとしても腹が立って

「ほんといいかげんにしろよ!」

とドアノブに手を掛けた。

すると耳元で

「・・・みせたいの・・・みせたいぉ・・・」

ここまできて、
なんとなく悟ってしまった。

黒い影のヤツは
はじめに音や衝撃で襲ってきて、
1週間たってから姿を現してくるんだと。

ほら、雷は遠くで光がピカッてなってから
時間差で音が聞こえてくるじゃん。

そんな感じ。

ヤツの場合は音が先で、
視覚が後だけど。。。

ヤツは時間差でやってくる。

とすると、
ガラスが割られたということは、
もうすでにヤツは部屋の中に入ってきてるってことか。

「みせたいの・・・」

とはなんのことだろうか。

1週間後がとても不安になりながら、
いまドアの前でガラスの破片を掃除してます。

あぁ、ヤツの顔見たくねぇなぁ。

どうしよう。

また次の話でお会いしましょう。