<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>夢に出てきた女性

私にとって怖い話、でもないんだけど
人に話したら怖いと言われたので書いてみます。

私は防音設備の全然なってない
某有名なマンションに仕事の都合で住んでるんですけど。
住み始めてから数日たった頃、

奇妙な夢をよく見るようになりました。

黒いキャミソールを着た20代後半ぐらいの
黒目が異様に大きい女性が出て来る夢です。

女性の特徴として体型は痩せ型(少しやせ過ぎなぐらい)、
髪はショートで黒に近い茶髪な感じです。

夢の中で私は部屋の中央に立っていて、
女性は玄関から少しづつ近づいてくる、
と言うよりも寄ってくる感じでした。

怖い話でよくあるシチュエーションで
まさか私自身が体験するとは思ってなかったのですが
驚きはしましたが
不思議と怖くはありませんでした。

それで私の借りてる部屋自体が狭いので、
夢の中で女性はすぐに私に近づいてきて、
それで両手で私の頬を優しく触れました。

朝目覚めてからもその感触が残っているような気がしたので、
なんというか欲求不満なのかな、
なんてその頃は考えたものです。

で、
その日からその夢は見る事は無くなったのですが、
ちょっと奇妙な出来事が起こり始めました。

私はズボラな性格で部屋が汚れていたり、
洗っていない食器が溜まっていたりと酷い状態でした。

最初は軽い違和感でした。

朝ぐちゃぐちゃになってた布団が綺麗になっていたり、
床に散らばっていた漫画類が綺麗に積み重なってたり。

私は鈍い性格だったので

「あれ?片したっけ?」

程度で済ませていたのですが、
徐々に綺麗になってく部屋に
おかしいと思い始めました。

正直、私は顔が良い方でなく、
太っていて所謂モテるタイプでは全然ありません。

正直、私は顔が良い方でなく、
太っていて所謂モテるタイプでは全然ありません。

だから、まあ
ヤンデレストーカーとかそういうのではないと
確信してました。

となると思い当たったのは
あの夢でした。

不思議と、
あぁ、あの女性がやってくれてるんだな、
と自然に思うようになりました。

夢の時もそうでしたけど、
怖くはありませんでした。

むしろ、なんというか
嬉しかったというか
そう言う感情の方が大きかったと思います。

でも、
その女性は無邪気というか悪戯好きなのか、
私の物を隠す時があります。

いつも定位置に置いていた自転車の鍵がだったり、
ipodに付けていたイヤフォンだけが無くなったりと
無くなるはずの無いものがなくなる事が増えてきました。

でも大体出てきます。

自転車の鍵は食器棚からとか、
イヤフォンはクローゼットの中とか
あり得ない場所からです。

しかし、
私にとってはなんというか
楽しいひと時でした。

思えば私は
女性に好意を寄せていたのだと思います。

で、異変が起こったのは
友人と一緒に鍋を食べてた時に、
部屋に友人が入ってきて早々

「なんか、嫌だなこの部屋」

と言いました。

その友人は特に霊感がある訳ではないし、
今までそういう素振りを見せたこともありません。

それで友人は

「お前、この部屋で変な経験とかしてないよな」

と言うので、
私は今までにあった事を全て友人に話しました。

そしたら友人は、

「それはマズいだろ
なるべく早く引越した方がいいんじゃない?」

と私に言いました。

けど、
私は何がマズいのかよく分からなかったし、
なにより今の自身の生活が気に入っていたので
友人には引越す気はないと伝えました。

そしてなんだか気まずい雰囲気になったまま、
帰る友人を外まで送り出し
部屋に戻ろうと扉を開けようとした瞬間、
扉が開きません。

というのも、
チェーンが掛かっていました。

鍵ではなく、チェーンです。

中に人がいない限り、
掛かるはずの無いチェーンが掛かっていました。

無論、1人暮らしなので
中には例の女性以外はいません。

チェーンが掛かって困ってる私に友人は、

「ほらな、ヤバいよ。お前の部屋」

と呟いて帰りました。

結局、業者を呼んでチェーンを外して貰いましたが、
多分、あの女性がやったことだと思ってます。

そして、その日、
私は久しぶりにあの女性の夢を見ました。

ただ、
夢の中で私はベットに横たわり、
女性は私の上に乗っています。

少し嬉しい反面、
無表情な女性の顔に不安を感じたのを覚えています。

大きな黒目がじっと私を見つめていました。

どれくらいの時間が立ったのか分かりませんでしたが、
おもむろに女性は右手を振り上げました。

その手に握られていたのは
半分に砕けたブロック塀みたいなもの。

それを見て私は

「あぁ、死ぬんだな」

と意外と冷静に考えていたのを覚えています。

そして、
その女性の右手が振り下ろされました。

現実の実体験ではないので
この感覚が本当か分かりませんが、
痛みより先に視界が黒く染まり
身体の内部から響くように、
ぐじゅ、と砕く音と潰れる音を混ぜた様な音が聞こえ
その音を最後に何も聞こえなくなりました。

おそらく最初に目玉が潰れ、
その後、骨と肉が砕け、
聴覚も潰れたのだと思います。

痛みは在った様な無いような、
不思議な感じで痛いというよりも
顔中が熱い感覚に襲われたのを覚えています。

その感覚を最後に
私は目を覚ましました。

結局、女性は
自分を悪く言われたのが
気に入らなかったのだと思います。

その後、私は2年間、
そのマンションに住み続けました。

幸い女性も居てくれました。

現在、仕事の都合でその地を離れ、
今は実家から会社に通っています。

最初は女性と別れるのが悲しかったですが、
女性も私を気に入ってくれたみたいで
ついて来てくれました。

夢では会えませんが、
今もたびたび部屋を片してくれたり、
物を隠したりしています。

人がどう思うか分かりませんが、
私はこの女性と
出来る限り暮らしていきたいと思います。

また次の話でお会いしましょう。