<最怖>白いひらひら
10年以上前の、実話です。
当時小学生でしたが、
自分の家族といとこの家族でキャンプすることが
夏の一大イベントでした。
その年、
静岡県のあるキャンプ場にいったときの話です。
いつも通りカレーをつくったり
釣りをしたりして楽しみ、
あっという間に次の日になりました。
朝、叔母さんが
「昨日、トイレで夜起きたんだけど
○○ちゃん(僕の名前)のテントの上に
白いヒラヒラが見えたよ。
タオルみたいな。
風になびいててちょうど一旦木綿のようだったけど
目をこすってみてみたら何もなくって。
おばけかしら笑」
と言ってきた。
化学系の仕事をしていて
そういうものを信じそうにない叔母さんがいったことで
印象に残った。
テントをたたみ帰る準備をする。
その帰りの車の中で
母の携帯電話に一本の電話が。
「知り合いのおばあさんが
深夜2時すぎに亡くなった」
というものだった。
このおばあさん、
関係を説明するのが難しいのだが
とにかく僕と弟をよく面倒みてくれたおばあさんだった。
当時、幼稚園や保育園ではなく
家庭教師を兼ねた個人養育に預けられていた
家庭のおばあさん。
僕らを
「○○ちゃん、お菓子あげよう」
と愛してくれたおばあさんだった。
ただその家の人は
このおばあさんを邪険に扱っていた。
人柄はこのおばあさんの方が
その家の人よりいいなということを
僕と弟は感じていた。
けれどその家の人たちは
なぜかおばあさんを隅っこの部屋に押し込み
きつい言葉を投げかけていた。
そんななかで
僕と弟はおばあさんに愛され、
それで僕らもおばあさんを
自分の実の祖母のように慕っていた。
車の中で
叔母さんの白いヒラヒラの話をすると
「おばあさんが会いに来たのかもね」
という話になった。
叔母さんに確認すると
たしか白いヒラヒラをみたのは
深夜2時頃だったという。
幽霊などは信じていなかったが
それを聞いてなんか不思議な気持ちになったことを覚えている。
また次の話でお会いしましょう。