<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>天窓

昔、家を改装した時に私の部屋に両親が天窓をつけてくれまして、
天窓といっても壁についている普通の窓が天井についているようなものです。

部屋に壁についている窓1つでは
日当たりが悪いかもという両親の配慮でとてもありがたいことなんですが、
その窓に関して半年くらい前から嫌な事が続いていましてね、
それについてのお話をしたいと思います。

両親が家を改装して天窓を付けてくれたのは今から私が中学生の頃。

今から7~8年前ということになりますか。

最初のうちは夜空を眺めて綺麗だなとか、
日当たりがいいなとか思っていたんですが、
だんだん昼間外から差し込んでくる直射日光がきついとか、
別に夜空を見る必要もないということで鬱陶しくなってきまして、
結局元々付いているスライド式のカーテンのようなもので閉じちゃったわけです。

それでも両サイドにいくらかの隙間はできますし、
所詮カーテンですから裏に何かいればわかるんですが。

それが今から5年くらいになりますか。

そして今から半年くらい前なんですがね。

ある夜床についていると、
天窓から奇妙な音がしてきましてね。

「コンコン、カリカリ、コンコン、カリカリ」

って。

なんだぁ?と思って天窓を見るわけです。

ふっと見たら目が合ったんです。

サイドの隙間からこっちをじーっと覗いている目と。

さらに右手の影が天窓を指先で

「コンコン、カリカリ、コンコン、カリカリ」

といじっているのがわかるんですね。

当然瞬間的に不審者かと思うわけです。

咄嗟に

「おい!誰だ!」

って声をあげようとしたんですが、
喉がヒュッっとなって出ないんです。

身体も動きませんし目も離せません。

暗闇に目が慣れているし、
黄色のサブの豆電球で真っ暗というわけではないにしろ、
暗いは暗いんで正確ではないんですが、
そいつ、目の周りが溶けているようにも見えました。

もう頭の中はパニック状態です。

2~3分でしょうか。

そいつが天窓からいなくなり
ガバッと身体を起こしたときには汗びっしょり。

アレがいなくなった瞬間身体を起こせたことから、
正直その時は夢でも見ていたんじゃないかと思いました。

大体天井に人の大きさのものが這えば音でわからないわけがないですし、
天窓からだけ音がするなんてありえませんから。

とりあえずその日はそのまま寝ました。

次の日の夜ですね。

天窓を調査しようと思いました。

気になりますから。

で、カーテンを開けたわけです。

驚きました。

薄い白っぽい何かが乾いて張り付いているんです。

何だこれ?気持ち悪い。

鳥に糞でも落とされたか?と、
掃除しようとして天窓を開けるために触れた瞬間、

「ガシャーーーーーーーン!!!」

驚きました。

実際どのくらいの音だったかはわからないんですが、
少なくとも私の耳には強烈な音として聞こえました。

振り返ると、
数年前に死んでしまった祖父の写真たてが床に転がっていました。

両親が共働きでほとんど家にいない中、
ずっと世話をしてくれていた親に等しい祖父です。

何で落ちたのか、
そもそも落ちるような位置にあったとは思えませんが、
とにかく落ちてガラスも割れているのがわかりました。

あららぁ、と思い、
写真たてを拾い上げふっと再び天窓の方を向きました。

・・・いました。

そいつは顔半分くらいを出し、
こちらをじーーーーっと見ていました。

存在が希薄というか、
透けているようにも見えました。

顔は焼け爛れているように見え、
何故かはわかりませんが憎悪し、
睨み付けるような目でこちらを見ていました。

この世のものでないであろうと感じました。

とにかくひどい形相だったのを覚えています。

意味がわかりません。

一体何だというのか。

目も離せませんし声も出せません。

固まっていました。

数分後、
アレが屋根の上を音など全くさせないまま消え、
私の体が動くようになったとき、
襲ってきたものは体の芯からくるような強烈な寒気でした。

歯がガチガチいって収まりませんでした。

アレには叫んでも、
すごんでもどうにもならないと直感的にわかりました。

私は祖父の写真を無意識のうちに
胸に抱えたまま部屋を出ました。

この件について
昔からこの土地で暮らしてきた父親に相談したところ、

「そうか・・・」

と言い、
少し考えた後、
今家が建っているこの場所は大昔問題があったこと、
そして、何もしないのならばとにかく無視しなさい、忘れなさい。

どうしようもないからと言いました。

また、それ以上は知ったとして
何も良いことはないとも言っていました。

その後、
ちょっと家族親戚の出入りが増えた気がしますが
私は昼間ほとんどいませんし、
あえて意識しないようにしました。

だって言うでしょ?知らぬが仏って。

まぁ、多少の期間は
既に家を出ている兄貴の部屋に荷物を移して借りましたが。
それからしばらくして私は自らの部屋に完全に戻ると同時に、
天窓に簡易シャッターのようなものを
上から取り付けピシャッと閉じてしまいました。

結局、天窓はアレが出てから結局一度も開けませんでした。

それから半年の月日がたちましたが、
特に身体に異変があるとか、
悪いことがあったとかそういうことは今のところはないようです。

でもアレ、いなくなってはいないと思います。

だって時々シャッターの方向から音がするんですもん。

コンコン、カリカリ、コンコン、カリカリって

部屋の他の窓には影も映ることはないですし、
不思議と開けても問題ないんです。

あの天窓だけなんですね。

不思議です。

何にしても、
私に現状わかることは
あそこだけは今は開けてはならない、
ということだけです。

まぁほっとこうと思います。

祖父の写真や、
形見などは綺麗にして
変わらず部屋に置いてあります。

案外守ってくれたり、してるのかな?

私がこの家を出ることになっても、
ずっと大切にしようと思います。

でも、幽霊のようなものに付きまとわれるって本当に嫌なもんですよ。

何にもしていないんですよ?

幽霊スポットに行ったわけでも、
おかしなことをやらかしたわけでもなく、
ただ普通に生活をしていただけなのに、
どうして私のところに来たのか、なぜ天窓からなのか、
そして一体どこまでしつこいのか。

正直何もかも意味がわからないといったところです。

私は何の関わりもないはずなのになぁ。

家に帰って電気をつけたとき、
窓の外をふっと眺めたとき、鏡を見たとき、
風呂に入ったとき、トイレに入ったとき・・・

あれ以来、
家でふっと景色の変わる瞬間が時々怖くなるんです。

皆さんもお気をつけくださいね。

いきなりああいうのとふっと目が合って
それ以来つきまとわれました、
なんてことにならない事をお祈りしております。

ホント何があるかわからないもんです。

また明日の夜にお会いしましょう。