<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

MENU

<最怖>霊能力者の爺さん

俺の爺さんはよくわからないけど
自称霊能力者らしい。

知り合いを呼んで
お祓いをしたりしていた。

小さい頃は何とも思っていなかったが、
さすがにある程度歳を取ると
まったく信じなくなっていった。

胡散臭い爺さんなんだが、
何故か色んな人がうちの爺さんに会いに来る。

爺さんは無償でお祓いを行っていたから
金儲け目的で嘘をついてるわけじゃなく、
本気らしい。

中学生になるくらいには
爺さんアホくせえと思ってた。

そんな爺さんに関するエピソードがいくつかある。

俺が小学5年生の時に、
俺の親父が死んだ。

まあ普通の病気だった。

どうも親父の死ぬ歳を
爺さんが予言していたらしい。

親父が健康な時から爺さんは親父に

「お前はこのままだと38歳で死ぬから
毎日神様にお参りしろ」

みたいな感じの事を言ってたらしい。

親父はまったく信じる事なく、
まあ38歳で死んじまったわけだ。

他にも似たような感じで
他人の死期がわかる事がたまにあるらしい。

なんか神様が教えてくれるんだとさ。

あと爺さんの別の話だが、
俺が中学2年か3年くらいの頃に
爺さんの車で買い物に行った時だ。

爺さんは何か知り合いの家に用事があったらしく、
俺を車に残し

「すぐ戻るから待ってろ」

とか言って知り合いの家に向かった。

車を降りて数歩ほど歩いたとこで
急に爺さんが戻ってきて俺に

「お前は絶対に車の外に出るなよ」

と俺に言う。

俺が理由を聞くと爺さんは

「変な女がお前を見てる」

と一言だけつぶやいて
知り合いの家に歩いて行った。

当時の俺は
爺さんの霊能力をまったく信用していなかった。

まあ今でも信用していないけど

俺は爺さんが見えなくなってから車の外に出た。

理由はあんまり覚えていない。

爺さんへの反発という事もないと思う。

爺さんの霊能力は信じていないが
爺さんの事は嫌いではなかったから。

しばらく歩いて車に戻り
爺さんを待った。

しばらくして爺さんが帰ってきて、
その後買い物に向かった。

爺さんに何か言われることも無く、
買い物も無事に済んだ。

問題はその日の夜だった。

なんだか寝苦しく、
気持ち悪い夜だった・・・と、思う。

もしかしたら記憶の中で
多少おおげさになっているかもしれない。

全然眠れなかったんだが、
しばらくすると枕元・・・と言うのかな、
頭の上あたりに気配みたいなものを感じた。

何か擦れるような音とかが聞こえたと思う。

俺はビビリだから
目を開ける事もできず
ただただじっとしていた。

ずっと、何かの気配と謎の音が聞こえる。

恐怖を紛らわすために他の事を考えようとしたんだけど、
何故か頭に浮かぶのはスーパーマリオテレサだった。

そんな感じでまったく眠れなかった。

そのまま朝になって鳥の鳴き声が聞こえてきた。

雀だと思う・・・たぶん。

その頃になるともう気配も音もなくなっていた。

俺は寝れなかったけど。

しばらくして婆さんの声が聞こえてきた。

「○○起きろー」

みたいな感じの

そこでばっと起きて
走って一階にあるキッチンへ走った。

婆さんに走るなと怒られた。

飯を食ってた爺さんが俺を見るなり

「お前外にでたやろ、払ってやる」

と言って神様の部屋
(我が家には爺さんの要望で作られたそういう部屋がある)
に連れていかれ、
背中を叩いたり背中に何かを書く等の、
爺さん流のお祓いをされた。

その後、夜に気配を感じる事は一度もない。

あと我が家の行事には特殊なものがある。

爺さんが知り合いをたくさん連れて
高野山へ行くというイベントだ。

これが年に2、3回ほどある。

中学3年生の時だっただろうか、
その時は俺も爺さん達と一緒に高野山へ行った。

高野山にある、
名前は忘れたが
おそらく有名な建物の中で
急に知り合いの小母さんが

「うぅーっ・・・」

ってな感じでうなりながら倒れた。

その後、

「やめろー」

とか

「うわああああ」

みたいな事を叫び出した。

特に印象的だったのは小母さんの声だ。

あれはどう考えても男の声だった。

野太い男の声。

小母さんはどちらかと言うと高めの女性的な声だ。

苦しそうな小母さんの背中を爺さんが叩いた。

何度も何度も

その後、お経を唱えると
小母さんは落ち着いて普通に戻っていった。

その後の小母さんはいつも通りだった。

最後にもう一つだけ・・・

これは完全に俺の自業自得な話だ

高校2年生の時、
当時の俺はかなり調子に乗っていて、
よく心霊スポットに行ったりしていた。

そういえば当時俺が住んでいた学生寮
いちおう心霊スポットで
夜中にインスタントカメラを片手に歩き回ったりもした。

ちなみに余談だが、
俺の住んでいた学生寮に出るという噂の幽霊は
看護婦と高速ハイハイ赤ちゃんの二つだ。

産婦人科らしい・・・

俺の地元には犬鳴き峠だとか
旧旧何とかトンネルみたいな
有名な心霊スポットほとんど無い。

ひとつだけ有名なものがあるが、
それを言うと地元がバレるので
ここでは割愛する。

地元の人間で
オカルト好きなら知っているレベルの心霊スポットが
学生寮の近くにあった。

ホワイトハウスと呼ばれる建物だ。

名前の通り真っ白な家で、
長い間放置されているようで
蔦なんかが家に絡みついていて、
もちろん窓ガラスも割れている。

たしか引きこもりの池沼っぽい子供がいて
一家心中したらしい。

その後、
建物を壊そうとした業者が怪我したとか死んだとか、
建物に入った若いやつらが怪我したとか死んだとか・・・。

まあ、ありがちな話だ。

そんなホワイトハウス
俺は友達二人と午後8時くらいに入った。

あの日は、夏なのに寒かった。

玄関は木の板で封じられており、
玄関からの侵入は無理だった。

仕方なく塀を乗り越え庭に入った。

ガラスの戸が壊されていて、
白いレースのカーテンが揺れていたのをよく覚えている。

家の中は思ったほどの廃墟ではなかった。

暗かったので分からなかっただけかも知れない。

一階はキッチンや風呂、居間等があった。

先輩は風呂がやばいと言っていたので
多少期待していたのだが、
まあ普通の古い風呂だった。

印象に残っているのはキッチンだ。

キッチンには昔、
家族が食事をしたであろうテーブルが置かれていた。

そのテーブルの上には
茶碗と皿がいくつか置かれていた。

今でもその光景が頭に残っている。

俺たちは2階へ向かった。

急な階段を上った俺達を最初に向かえたのは、
三体の日本人形だった・・・。

廊下に棚が有り、
そこに三体の日本人形が置いてあった。

俺たちはそれを見て、
気持ち悪りいとか言っていたと思う。

しばらく人形で盛り上がった後、
一番近い部屋に入った。

そこはおそらく子供部屋だったんだろう。

絵本が散乱していた。

桃太郎だとか浦島太郎だとか、
そんな感じの絵本が部屋いっぱいに散乱していた。

俺は足でそれを退けながら進んだ。

その後は特に目立つような物は無かった。

他の部屋も一通り見て、
俺達はホワイトハウスを後にした。

問題はその後だった。

俺は学生寮に帰り
後輩達にホワイトハウスの話をした。

後輩が自分の部屋に帰った後、
俺はホワイトハウスで使ったインスタントカメラを取り出そうと
鞄を手に取った。

鞄がやけに重い。

鞄のチャックを開けた

すると
三体の日本人形が俺を睨んでいた

「うわっ」

声を上げ鞄を投げ捨てた。

俺はすぐ友達に電話した。

「お前か?」

と聞くと友達は爆笑していた。

タチの悪い悪戯だ。

明日になったら人形をどうにかしよう・・・
そう思い、その日は寝た。

次の日の朝、
なんだか体がだるかった。

気持ちが悪く吐き気がした。

学校を休みたかったが、
簡単に学校を休むと
先輩に何を言われるかわからないので
無理をして学校に向かった。

不思議なことに寮を出ると
多少体が楽になった。

クラスでは
俺達がホワイトハウスに行った事が話題になっていて
何度も声をかけられた。

俺が体調が悪い事を伝えると、
呪いだとか言って笑っているヤツもいた。

授業中はほとんど寝ていた。

学校が終わり部活に行く頃には
かなり体調は良くなっていた。

部活も終わり、学生寮に帰る。

靴を脱ぎ、片付け、
部屋の鍵を開け、部屋に入り、倒れた。

部屋に入った瞬間体が重くなり
吐き気や頭痛が止まらなかった。

俺はどうにか後輩に電話して、
体温計を持ってこさせた。

39度9分だった。

すぐさま実家に電話して
迎えに来てもらった。

1時間30分ほどして
叔母さんが迎えにやってきた。

叔母さんの車に乗って病院に向かった。

何故か学生寮を出ると
体調は多少良くなった。

病院では医者に正直よくわからないと言われた。

菌もないし喉も腫れてないし・・・みたいな。

ヤブ医者にもほどがある。

とりあえず薬を貰って久々に実家に帰った。

実家に着いた俺を待っていたのは爺さんだった。

家の外で爺さんのお祓いが始まった。

背中叩かれたりとか、
背中に文字書いたりとか・・・

そのあと、爺さんいわく

「小さい霊が多数と、九州の軍人が付いてる」

俺は驚いた。

実は約一か月前に
部活の大会で九州に行っていたからだ。

ちなみに家族にはその事は言っていない。

爺さんはさらに言った。

「でも軍人は関係無いな・・・
後もう一つ、変なのが憑いてる。
これが何なのかは俺にもまったくわからん、
でもたぶんこれが原因だろう」

爺さんはそう言って家の中に入った。

俺は疲れてその日はすぐに寝た。

次の日爺さんに聞くと、

「あれは祓うというより帰ってもらった」

みたいな事を言っていた気がする。

それから念のために4日ほど学校を休んだ。

久しぶりに学校に行くと、
クラス中の人間から色々な質問攻めに会った。

俺の体調不良は呪いと言うことで定着していた。

なぜか他のクラスでは
俺は死んだ事になっているらしい。

噂は怖いものだ。

それからしばらくは知らない女の子に声をかけられたりと
少しばかり楽しい日々が続いた。

それ以来俺は霊っぽい現象には遭遇していない。

まだ爺さんも健在である。

ちなみに三体の日本人形は
アジ塩を山ほどぶっかけて山に捨てた。

噂ではあの日本人形はホワイトハウスに戻ったらしい。

真偽のほどは定かでは無いが・・・。

また次の記事でお会いしましょう。