<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>音楽と男の声・友達・幽霊画

「音楽と男の声」

この間、学校の課題の山に
死にそうになっていた時のこと。

明け方の4時くらいかな、
だいたいの課題が終わったから
仮眠しようと思ってベッドに入ったんだ。

自分の部屋は妹と一緒で、
ベッドも二段ベッド。

上が妹、自分は下。

その日もそのまま
下のベッドにダイブして寝る筈だった。

異変に気づいたのは
ベッドに入ったその直後。

なんかどこからともなく
何かの音楽が聞こえるんだ。

音楽はオーケストラで演奏していて
曲名はわからない。

迷惑だなぁ、と思って音源を探そうとした時、
その音楽の音量が急に大きくなった。

明らかに明け方に奏でるには近所迷惑な音量。

そこで、気がついた。

こんな大きい音なのに
妹や親が起きないのはおかしい、
この音楽が自分の耳元鳴っているんじゃないか、と。

音楽は耳元というより
脳に直接流れているという感覚だった。

でもまぁ徹夜が3日続いた時だったし、
たまにはこんな事もあるんだろうと思った。

心霊は信じてるけど、
まさか自分の家で起きる訳ないって思っていた。

だからその時も音楽をスルーして
寝る体制に入った。

しかし、眠れない。

音楽は大きくなったり小さくなったりを繰り返している。

その上、音楽の合間合間に
誰かが喋っているような声まで聞こえ初めた。

聞いた事のないオッサンの声で、
内容はわからないが
どうやら自分をあざ笑っているようだった。

この時になって、
初めて自分は恐怖を覚えた。

心霊現象ではなく、
自分の精神が狂ったのか考えた。

オッサンは相変わらず、
あざ笑っている。

音楽も鳴り止まない。

このままこの状況が続いたら、
まだ理性があるものの自分は完全狂うだろうと思った。

怖くなった。

狂うなんてまっぴら御免だと思った。

ベッドから逃げ出そうと思ったが、
体が動かない。

金縛りだろうか。

男はまだ、自分をあざ笑っている。

耳鳴りがする。

いつの間にか、朝になっていた。

自分はこの話を家族に話した。

疲れって怖いね、と。

この日以降、この現象は起きてない。

狂ってなかったか、と安心した。

しかし、その代わり
最近私の周りで別のおかしな事が起きている。

自分の家には父しか男の人はいない。

そして自分と妹の部屋にはテレビなどもない。

それなのに、自分の部屋で電話に出ると
何か男の人の声がする、と言われるようになった。

部屋で寝てる間にきた彼氏からの電話に
知らない男の人がでた等、
男の声に縁ができてしまった。

これまではただの電波障害だと思っていたが、
あの日以降、もしかしたら何かこの家にいるのかもしれない…
と怖くなってきている。

「友達」

俺が小学生だったときの話。

俺の住んでた町は広いけど、
その分人の密度が少ない過疎った街だった。

で小学校が町の中心にあって、
学校が少ないから
あっちこっちの地区から子供が通ってた。

まだ変質者がどうの、防犯ベルがどうの、
って頃じゃなかったからみんな友達2、3人で下校してた。

遠い子で1時間かけて徒歩で通ってたかな。

冬とか暮れるのが早いから遠い子は
部とかにも入らず一気に帰った。

山道だったり、
普通の舗装された道路でも街頭なんか無いからね。

集落の明かりを目指して、
2、3人で帰ってたわけ。

今は通学班とか組んでるのかな。

でも中にはそういう友達がいない子がいるわけね。

俺の同じクラスにもそういう子がいた。

仮に<K>と呼ぶ。

その子はちょっと知恵が遅れてる子だったけど
養護学級とか出なくて普通学級に通ってた。

でも、やっぱり地区の遊びグループには入れなかったのね。

で、帰りはいつも徒歩30分の道を一人。

田舎だし、子供が知的障害だから、
って親が車で迎えにいったりとかはしなかった。

東門から出る俺は西門にむかう<K>を
ときどき見かけたけどたいてい1人だったなあ。

ある日の道徳の時間、
先生が言ったんだ。

「最近、寄り道をしている子がいるらしいですね」

って。

みんなドキっとした。

そりゃみんなちょっとは
ゲーム機が豊富な家でちょっと桃鉄やるとか・・・してた。

でも、いつもはそんな事黙認してくれてる。

先生は続けた。

「別に、暗くならないうちは友達の家によってもいい。
でも、危ないところに遊びにいく子がいる。
それはやめなさい。」

危ないところ?

その話の真意を知ったのは、
今度は友達の噂話からだったんだ。

「あのさ、<K>だよ。
あいつ、帰り道、橋の下で遊んでんだ。」

確かに、<K>の家の方角には、
ちょっと大きな川が流れていて、
最近出来た新しい橋と、
となりに古い橋が架かっている。

新しい方は街頭があるけど、
古い方にはそんなものはない。

石造りの古い橋だ。

橋のしたには河川敷が広がっていて、
一応階段があってそこにいけるようになっている。

河川敷は子供の身長くらいの草が茂ってるが
橋の真下は光があたらないのか、
ちょっとした空間が出来ている。

昼にはちょっとした秘密の遊び場みたいな感じで
マルイのエアガン持って水面を撃ちにいったりしてた。

<K>はそんな遊びに来た事は無かったが。

だけどそれは新しい方の橋の話だ。

<K>は古い方の橋の下にいたそうだ。

聞けば同じ地区のやつらは帰りに新しい方の橋から
<K>っぽいやつがいつも古い橋の下にいるのを見ていたそうだ。

子供は馬鹿だなーとか思って放っておいてたんだけど、
親にその話をしたらえらく気にして学校に通報したんだそうな。

<K>は昼に職員室によばれていった。

でも、<K>はその寄り道をやめようとしない。

<K>が帰ろうとしたとき、
先生が話しかけたのを聞いた。

「友達と遊ぶのは大事だけど、
危険なところで遊ぶのはもうだめだからね。」

釘をさされてる、

俺はちょっと笑ってしまった。

だけど、なんか違和感があった。

あいつは、いつも一人でいるんだ。

それに橋の下にいたのも
<K>ひとりって聞いたのに。

もちろん、いくら注意されようとも
それから<K>が寄り道をやめることは無かったんだ。

祭りの夜。

俺は友達と友達の家にいた。

祭り囃子が聞こえる薄暮の中みんなで花火とかして、
普段出来ない夜遊びを楽しんでた。

花火が終わり俺たちはその家に一晩とまる事になった。

「俺、<K>の友達、みたんだ。」

一人が、唐突に話し始めた。

見てはいけないものをみた、
そんな言い方だった。

おそらくあまりの気味悪さに
ずっと胸にしまっていたのだろう。

「あいつ、橋の落書きにむかって楽しそうに話してた。いつも」

みんな一瞬しんとなった。

夕暮れ時。

カナカナ蝉がなくころ。

<K>はいつも「友達」といたのか。

ある冬の日ついに最悪の事が起こった。

街の防災無線が子供の行方を捜している。

<K>がいなくなったんだ。

あまりに遅いので親が学校に連絡したところ
とうに帰った、といわれたのだ。

折からの強い雨

公務員の俺の親父にはリンリン電話が舞い込み、
コートを着て長靴を履いて出て行った。

顔を知ってるか、ときかれて
俺は親父の車に乗せられた。

行く先は当然川だ。

既に先生や近くの同級生、警察・・・

台風みたいに人が集まってた。

でも結局<K>は見つからなかった。

河川敷にも何も無い。

ただ、橋桁には赤いペンキでマルが描かれ、
その中には人の顔のような落書きがあったのを覚えている。

「行方不明」の貼紙も色あせた頃。

その落書きも消されたのか、
もうあとかたも無かった。

それだけの話だ。

友達。

ひょっとして<K>は今、
その友達と一緒にいるのだろうか。

「幽霊画」

Aの家は寺なんだが倉みたいなのがある。

Aの家に泊まった時の話。

夜、Aが面白いもん見せてやると倉に連れてかれた。

中は電気も通ってなく、
懐中電灯で埃っぽい中を進む。

A「これこれ」

と細長い箱を指さして開けてみろと言う。

箱はそんなに古い物じゃなかったが
札で封印されてあった。

よく見ると札は刃物で綺麗に切られており
蓋は開けられる状態だった。

蓋を開けると古い掛け軸が出てきた。

A「見てみろよ」

と促されて紐をといて伸ばすと
柳の絵が書いてあり
下のほうは焼けてしまっていた。

A「この絵、おかしいだろ。
火事にあってうちが引き取った絵なんだが
この絵には足らない物があるんだ。」

A「この絵、火事に遇う前は
柳の下に女の幽霊が書かれていたらしい。」

背筋がゾっとした。

何で夜中にこんなもん見せるんだよ・・・

A「幽霊画って奴だな。
それにはお前が恐がる霊的なもんはないよ。
本当に面白いのはこっちだ」

そう言うと一番壁際に置いてある白い布をかぶった額縁を指差し、
開けてみろと手でジェスチャーを送る。

本当にビビッたが意を決して布を取った。

・・・普通の油絵だった・・・林檎と花瓶の奴。

Aは必死に笑いを堪えていたので
俺は担がれたと思いAに

「びびらせんなよ・・・」

と文句を言う。

A「悪い悪いw
ビビりすぎだよお前w
で、その下にもう一枚額縁があるだろ?
そっちも見てみろよ」

頭に来た俺は
その下にある絵を何の気なしに見た。

絵は縄で縛られており、
縄にお札が数枚貼られてあった。

絵には青い空と草原の絵が描かれており、
青い空の所には洋風の絵には似付かわしくない
墨で描いたような女の幽霊が浮き出ていた・・・・。

A「な、面白いだろ?
ちゃんと布かぶせとけよ。
そっちはマジでやばいモンだからw」