<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>非常識

微笑ましくもあるけど、
雰囲気が微妙だった式

うちの職場の女上司(当時36歳)の結婚が決まった。

招待されたのは
上司の上司以外は同じ係の私と私の先輩だけだった。

…が、突然隣の席(=隣の係)にいるA君が

「いいなー。俺も結婚式いきたいなー」

と声かけてきた。

上司が苦笑いしながら

「A君は隣の係だし、
人数制限もあるからごめんね」

と言ったのに

「えええええ。
俺もお祝いしたいっすよ。
上司さんのこと好きだったから、
諦めるために招待してくださいよー」

さすがに無理だよ、
と笑い飛ばしたんだけど、
このA君、直接新郎(同じ職場の違う部署)のところにまでいって
何と新郎側招待客名簿に加えてもらった。

(余談ですが、A君は確かによく上司のことをタイプだ、
結婚したい、いや、結婚してください、と
飲み会の席なんかで言っていて、
ちょっと本気なのか?と思う部分はあった。)

当日、式場にいって死ぬほど驚いた。

何とA君、白のタキシードで登場。

「似合いますか?」

とか聞いてきたけど、
それはダメだろ、と思わずマジで説教した。

先輩も合流して

「それはヤバイよ」
「どこかで普通のスーツ調達できないの?」

といったんだけど

「欧米じゃ普通っすよ」
「まぁ、俺も花婿みたいなもんだし(?)」

聞く耳もたず。

親族の人が

「何あの男?」

とヒソヒソと言っていたので、
他人のふりしたかった

しばらくして、
新婦が控室にはいっていくのを見かけたA君は

「上司さーーん!!」

と叫びながら走って追いかけ、

「俺今日男前っすか?超男前っすか?」

と声をかけると
上司も目をまん丸にしながら

「え・・・うん・・なんか、凄い格好だね・・・」

と目をぱちくりさせて答えていた。

「やった!俺今日男前だって!すっげ!
新郎なんて目じゃないっすよ!
あ。私さん!先輩さん!俺の鞄もってきて!
写真とって写真!新郎新婦っすよ!!」

と大はしゃぎ

さらに親族の「何あの男」度数は高まる一方。

「お姫様抱っこしてとりましょうよ!」

と後に回り込もうとするのを必死で阻止しながら

「ドレスがシワになるから…ね。
疲れたし、ちょっと座らせてね」

と控室に逃げ込む上司。

その後、控室に入る新郎をみかけると

「新郎さん!今日俺も新郎っすよ!
ガチンコですよ!(?)」

と新郎を苦笑させた。

もうこの時点から嫌な予感しかしなかった。

厳かな雰囲気の中、
チャペルに新婦とその父親が入場してきた途端、
A君が

「上司さん!上司お父さん!こっちこっち!笑って!!」

と携帯カメラむけて大声を出すA。

スタッフからたしなめられて拗ねるA。

入っちゃダメといわれているのに、
リボン潜り抜け新郎と新婦のキスシーンを良いポジションで撮ろうとするA。

スタッフに引き摺られながら

「もう一回チュー!もう一回!ブレたから!!」

と叫ぶA。

もう式場はAの独壇場。

チャペルから出たところで、
幸せの鐘を鳴らす新郎新婦

そこに無理矢理割り込んで三人で鳴らそうとするA。

またも台から引き摺りおろされるA。

ダメだこいつ何とかしないと状態。

式と披露宴の合間にスタッフ(プランナー?)から
他のお客様に迷惑をかけるようであれば、退席も…と言われて

「大丈夫大丈夫。俺、普段からこんなんだから!」

と胸を張るA…

頭を抱えて
何とかこいつを追い返せないかと思う私と先輩(とそれ以外の会社の招待客)

当然、披露宴でも独壇場。

まだ新郎新婦が座ってもいない高砂にいち早く座り

「新郎一番乗り!」

と名乗りをあげ、
隅においてあるウェディングケーキ(生ケーキだった)を
ツマミ食いしようとしてスタッフに止められ、
新郎新婦が入場してきたら、
いきなり一人だけキスコール開始。

つまらないスピーチには途中で

「つまんねー」

とキッパリ言ってカエレコール。

ケーキ入刀も間に自分が入ろうとしてスタッフに止められ
(というか、予想されていらしくスタッフが構えていた)
小競り合いになるという一幕もあり、
親族からは物凄く冷たい目でみられた。

途中で上司の上司がA君を呼び出して注意したらしく、
さすがに後半多少は大人しくなったものの
そのせいかお酒のみまくりで、
最後のほうで突然机の上に吐いてしまい、
それはそれで多大な迷惑をかけることに…。

余談ですが。

A君はこの時知り合った上司の妹と付き合いだし結婚。

上司の義理の弟になりました
(家族からは大反対されたらしい)。

また次の記事でお会いしましょう。