<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>預かり物

学生時代に引っ越したアパートでの出来事で、
思い出しながら書いているので、
一部曖昧な部分もある

となりの部屋に
チャラい感じのチャラ男が住んでいた

自分は比較的真面目なタイプだったので
チャラいヤツは好きじゃなかったが、
自分の実家から届いた食べ物を持っていったり、
お返しにお菓子や飲み物などを分けてくれたり、
歳も近かったので
時間が経つと普通に話したり交流するようになった

お互い干渉しない仲だったので、
何をやっている人だったかは未だ不明

よくチャラい仲間を連れ込んで
夜中まで馬鹿騒ぎしていたのは覚えている

そんなある日、
チャラ男が頼み事をしてきた

これが全ての元凶となったのだが、
その当時は知る由も無し

チャラ男はデパートの包装がされた箱を持っていて、
自分の家の冷蔵庫が壊れたのだが、
生ものなのでしばらく預かって欲しい、
みたいな事を言った

断る理由がないので、
腐らないうちに持っていって下さいね、
と箱を受け取って冷蔵庫に保管した

それから数日間は何事もなく過ぎ去り、
学校等で色々と忙しかった事もあり、
冷蔵庫の中身の事はすっかり忘れていた

ある日、
学校からの帰りが遅くなり
アパートに9時頃着いたのだが、
入り口近くの道路に
3台程黒塗りの車が横付けされていたのを見て、
何かあったのではと思ったのだが、
自分の部屋に着くまで何事もなく、
気のせいかと安心した

その後、
布団に入ってから
となりが少し騒がしいような気がしたが、
となりは時々うるさかったので、
今回も何かやってんだろ程度に思っていた

なんかドンドンとかガンガンとか
悲鳴みたいなのも聞こえてきたが、
普段からチャラ男はそんな騒ぎ方をしていたので
気にもしなかった。

夜中の3時頃にチャイムが鳴ったんだが
眠くて無視していたら
ガンガン戸を叩いてきたので、
完全に目が覚めた

こんな夜中に来るヤツなんて普通じゃないし
メンドクサイし、
起こされた事に腹を立てていたので無視した

ドンドンは暫く続いたが、
舌打ちする声が聞こえ、
しばらくすると静かになった

翌朝、
郵便受けにA4の紙が入っていた

チャラ男の字で、
部屋に戻ってきたら
以前預けた箱を届けてもらいたい、
と書かれていた

何故かとなりの部屋にではなく、
届ける場所の指定がされていた

しかも今日中の何時まで、
と時間指定までされていた

普通、
こんな事されたら面倒に思うだろ?

だから、
直ぐにとなりの部屋まで行って
チャイムを鳴らした

反応は、なし

この時、
正直に言うとイラっとした

メンドクセーと思ったから

部屋に戻って
冷蔵庫から箱を取り出した時、
重要なことを思い出した

その日は
どうしても外せない用事があったんだ

近くに知っている人が居るわけでもなく、
仕方ないので
1階に住んでいる管理人さんに相談をした

そしたら
管理人さんに届けてもらえることになった

なんだかホッとした瞬間だった

で、
その日の夜8時頃アパートに戻ることができたので、
買ってきたお礼のお菓子を管理人さんの部屋に持って行ったが、
留守だった

仕方がないので自分の部屋に戻ろうとしたら、
玄関のドアの様子が変なことに気が付いた

・・・扉が空いている!

この時、
咄嗟にこれは危険だ、
と思った

何の確証もなかったんだけど
近くの交番まで行って、
空き巣に入られた可能性があると説明し、
警官と一緒に部屋に戻った

玄関から中に入ると、
それ程荒らされた形跡はなかったが、
冷蔵庫が倒れていたのと、
タンスがずれていた

まぁ、
元々置いてある物が少ない部屋だったからね

盗られた物は何もなかったが、
これはヤバいと感じた

警官に色々と質問されたが、
何故か例の箱のことは言わなかった

この事が有って以来、
チャラ男とも大家さんとも会っていない

アパートは1週間で引き払い、
以後の事は判らずじまい

テレビや新聞で報道される事もなかったので、
単なる偶然が重なった日常の出来事だったのかもしれないが、
あの時、自分が箱を持って行ったら
どうなったのかを考えると
未だにガクブルな話

また次の話でお会いしましょう。