<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

MENU

<最怖> パタ、パタ、パタ、パタ

私が小学生の頃、
父・母・私で父方の祖母の法事に行ったことがあった。

夕方に田舎に着いて、
その夜は伯母の家に泊まった。

私は9時頃には2階の部屋で布団に入ったが、
当時は所謂「枕が変わると眠れない」タイプだったので、
何時間か眠れずに、かといって
電気をつけて本を読んでたりしたら怒られるだろうし、
と何もせずに布団の中でじっとしていた。

その夜は雨が降っていて、
廊下の突き当たりにある窓から
かなり激しい雨音が聞こえていた。

両親は伯母夫婦と
一階の居間でおしゃべりをしていた。

多分11時を過ぎたころだと思うが、
誰か階段を上がってくるスリッパの音が聞こえた。

パタ、パタ、パタ、パタ、
と4段上がってきた音がして、
私は「母が上がって来たんだな」と思った
(なぜ母と思ったかというと、
伯母夫婦は1階の寝室で寝ていたし、
父にしては足音が軽い気がしたので)

しかし足音は4段上がったところで数秒止まり、
今度は上がって来た時よりも若干早いスピードで
階下に降りてしまった。

「何か忘れ物でも取りに行ったんだろう」

と思い、そのまま母を待っていた。

すると数十秒後には、
また、パタ、パタ、パタ、パタ・・・と
階段を4段上がる音がした。

今度こそ母が来る、
という私の予想を裏切り、
足音は数秒止まり、
また早足で降りて行ってしまった。

(何やってるんだろう??)

当然私は疑問に思った。

が、布団からは出なかった。

私の恐怖はここから始まった。

その後、スリッパの足音が階段を4段上り、
階下に降りていく、その音が延々と続いたのだ。

上ってくるスピード、
途中で止まっている秒数、
降りるスピード、
それらがまるで時計で測っているかのようにぴったり同じ。

それがループして、
延々と階段から聞こえ続ける。

上る時の足音は非常にゆっくりで、
母のものとはもう思えなかった。

廊下には電灯はなかったが、
階段の電灯は点けっぱなしになっており、
部屋からもかなり明るく見える。

覗き込めば何が起こっていたのか見えたかも知れない

でも子供の私にその勇気はなく、
30分ほど立った頃に耐えきれなくなって
布団を頭からかぶり、いつのまにか寝てしまった。

翌朝、母に確認してみると、
両親・伯母夫婦で会話が弾んだので
寝たのは夜中の1時過ぎだったこと

誰も階段を上り下りしてないし、
階段からは何の音も聞こえてなかったと言われた。

私が聞いたスリッパ音の事を話すと、

「雨の音を聞き違えたんじゃないの」

と言われたが、
あの規則性のある音は絶対雨ではないし、
第一階段から雨音が聞こえるわけがない。

私が納得していない顔をしていると、
伯母が冗談で

「おばあちゃんが帰って来たのかもね~」

と言った。

伯母はあくまで冗談で言ったのだが、
あのゆっくりとしたリズムで上って来た、
女性としか思えない軽い足音を思い出すと、
私はあながち冗談で済まされないような気がした。

あまり詳しくは書けないが、
父の兄弟の中で子供の目から見ても明らかな激しい不和があり、
おばあちゃんがそれを心配して成仏できてないんじゃないかな、
と思った。

伯母の家にはその後数回泊まらせてもらう機会があったが、
怖い体験は2度としなかったし、
今に至るまで霊体験らしいものはない。

伯母夫婦も数年前に他界し、
恐怖の体験をした家も取り壊された。

また次の話でお会いしましょう。