<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>寝そべる人

小学生の時の自分の話をひとつ

当時、犬を飼ってた俺は
日課の散歩に出かけた。

見たいテレビをみてから出かけるのが常だったので
その日も陽が暮れて、
辺りはすっかり暗くなってたと思う。

当時の家は郊外にあったので
雑木林や竹林も多く慣れない人には
そうとう寂しく感じるであろういつもの散歩道。

そこを小走りで2~30分かけて家に戻るのが常なのだが
雑草がうっそうと茂った野原の一本道に通りかかった時の事。

犬が突然茂みの方に
グワッと俺を引っ張った。

何事かとそっちを見ると
草原の中から足が二本、
ニョキッと道路に向かって飛び出していた。

サラリーマン風の男の足で
グレーのスーツ、裾の丈が短めで、
すね毛まで確認できた。

最初はギョッとしたが
しばらく見ても足はピクリとも動かない。

もしかしたら酔っぱらいかもしれないが
具合が悪くて倒れた人かもしれない。

色んな思いが頭の中をかけ巡って、
好奇心もあり、
その足の主を確認しようと
草をかき分けて近づいてみた。

それは、
マネキンの様に奇麗に横たわった人だった。

しかし生きてるか死んでるかは定かじゃない。

俺は足下からゆっくりと
視線をその人物の顔の方に向けていった。

…そいつは俺の事をひたすらジッと見てた。

真っ白い顔を首だけ90度起こして。

無表情だけど
目だけこぼれ落ちそうなくらい見開いて
こっちをガン見してた。

あまりの想定外の出来事に
俺はその場から動けなくなった。

ちょっとでも動いたら
「そいつ」が襲いかかってきそうな気がして
その場に凍り付いてた。

どの位そうしてたのか。

「ワンッ」

という犬の一声でハッと我に返った俺は
その場を一目散に逃げ出した。

50メートル程離れて振り返ったが
誰も追ってくる気配は無かった。

勇気を振り絞って現場に戻ってみたが
そこには誰もいなかった。

いま思い返してみても理不尽すぎて
納得いかない出来事だ。

また明日の夜にお会いしましょう。