<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

MENU

<最怖>寝息

最近、自分の部屋以外の場所で寝ると、必ず

すう・・・。すう・・・。すう・・・。

って感じで
部屋のどこかで自分以外の寝息がする。

明かりを点けて寝ていても、
やっぱり聞こえる。

音のする方向を見ても何もないので、
目に見える何かがいるわけではないのは確か。

スマホで写真や動画をとってみたが、
何も映らない。

明かりを消して見ても、
ずっと音は続いている。

暗くして、目を凝らしてみると、
何か音の方で暗闇が濃くなっている気もするが、
よくわからない。

確かめようと思ってずっと見ている内に、
逆に目のほうが暗闇に慣れて、
その闇が濃いように感じていた場所も、
部屋の中がはっきり見えるようになるに連れて、
薄くなって見えなくなってしまう。

そんな感じでもう、
ずっとその寝息みたいなものを気にしてた。

最初に気になったのは、
去年の9月くらいで、
その後ずっと。

で、今に至る。

きっとこの1年くらいで、
出張が多くて、
知らない土地の安ホテルで寝ることが多かったので、
なんか神経やられてんのかなー、
みたいに思っていた。

ところが、先日、
初めて自宅でその寝息みたいのが聞こえた。

夜遅くに帰って来て、
コンビニで買ってきたパスタを台所で食ってた。

家族は全員寝静まってる。

そのあと目が、
しょぼしょぼするんで目薬して
両目閉じたまま、
台所の椅子でじっとしてた。

そしたら、
すう・・・。すう・・・。すう・・・。
と例の音。

おお?と思って、
目を開けようと思ったけど、
目薬がクール系の刺激の強い奴だったんで、
中々開けられない。

かろうじて右目だけ開けて、
台所の中を見回したけど、
案の定、誰がいるわけでもない。

今まで出先でしたことはあったけど、
自宅では初めてだったので、
ちょっと焦りながら、
音のする場所を探して見る。

でも、ホテルの一室とかと違って、
一戸建ての家の中なので、
なんかイマイチどこから聞こえているのか分からない。

一度台所の奥、
勝手口の方まで行ってみたけど、
どうも違う。

台所から出る廊下の方からするような?気がして、
耳を澄ませながら、ゆっくり元来た方、
テーブルの側を回って、
廊下に抜ける方に出ようとしてみたが、
それもなんか方向が違うみたい。

やっぱり台所の中?

そう思って
再び入り口から台所の中に体を向ける。

すると、その場所からすぐ左手側、
冷蔵庫のある足元の辺りから音がするような気がする。

冷蔵庫の低い稼動音に混じって、
すう・・・。すう・・・。すう・・・。

ここ?この辺?

何となく辺りを付けて、
腰を屈めてみると、

すーっ・・・。ふー・・・。
すーっ・・・。ふー・・・。
すーっ・・・。ふー・・・。

音が大きくなったので、
ああ、ここだ。と思った。

と、こんな感じで
だいたいの場所を突き止めるまでは、
以前に起こった時にも成功していたので、
次にやることもいつもどおり決まっていた。

手を伸ばして、
部屋の灯りを消す。

と、いつもならここで、
辺りをつけた場所の暗がりに、
闇の濃い場所が見える。

当然この時も見えた。

が、何かいつもと違う?

左目だけちょっとよく見える。

さっきまで目薬で目がしょぼしょぼするので、
左目だけ閉じていたのだが、
灯りを消すときに左手を伸ばしたついでに、
閉じていた目を開いていた。

そのせいで、
左目だけ暗闇に慣れていたようで、
同じ暗闇でもそっち側だけクリアに見えるようだった。

ああ、と思って右目を閉じる。

と、例の暗がりが少しはっきりした。

暗がりの上の方に、
白い点が2つ。

人の白目の部分だと分かった。

うっすらとだが、
形で、黒目が自分の方を向いているのを意識して、
ぎょっとした。

そして、うずくまり、
無言で目だけを向けているその様子から、
直感的に相手が手足を縛られて、
口を塞がれているのを感じた。

寝息のようなゆっくりとした呼吸音は、
からしか呼吸ができず、
縛られて、身動きの取れない状態にされた人間が、

パニックを起こさないように、
意識してゆっくりと鼻呼吸しているからなんだというのが分かった。

時間が経つと、
やはり人影はゆっくりかすれて消えていった。

なぜ、その人影が自分のところに現れるのかは
未だにわからない。

それが縛られ、
口を塞がれた人影だと分かってから、何日かたっているが、
その後自宅であの呼吸音を聞いたことはない。

でも、来週からまた、出張になるので、
そうすればまた、あれが出てくるだろうと思ってる。

その時は、
今度は灯りをつけたまま両目を閉じて
よく目を暗闇に慣らしてから、
灯りを消してみようかと思っている

また次の記事でお会いしましょう。