<最怖>実験
人形供養をしている寺から無理を言って
市松人形を譲り受けた。
以下実験記録。
●目的
人形に霊が宿っているという推測を立て、
それが物的な霊か生物的な霊かを問わず、
あらゆる手段を講じて心霊現象を誘発させる。
●実験一:暗示
ICレコーダーに
「お前は生きている」と吹きこんでリピート再生。
人形と一緒に箱入れして押し入れにしまう。
結果:変化無し。
●実験二:撮影
結果:何も変わったものは写らない。
●実験三:剃髪
人形の髪の毛をバリカンで根こそぎ剃る。
剃った毛は全部捨てる。
結果:人形の髪の毛は伸びない。
●実験四:裁断
人形の着物を鋏でズタズタに引き裂く。
結果:変化無し。
●実験五:絞首
襖の枠ににフックを刺して紐を結び、
人形の首を絞めるようにして吊るす。
結果:夜中に物音がして目覚めると人形が床に落ちていた。
●実験六:不快刺激
生きているゴカイを買ってきて
人形と一緒に箱詰めする
結果:変化無し。ゴカイがたった二日で死滅。
●実験七:磔
人形を釘で板に打ち付けてから錐で滅多刺しにする。
結果:変化無し
●解体
人形を鋸でバラバラに解体する。
中から乳歯がいくつか出てきたので捨てる。
●処分
ジッポオイルをかけて焼却。
酷い悪臭。
真っ黒に焦げた人形を袋に入れてゴミ捨て場に廃棄。
何故か烏が食い散らかして、
道路に人形の破片が散らばる。
拾い集めてまた捨てたが
頭部だけ見つからなかった。
●特筆すること
○人形を床に放って外出。
帰宅後人形の位置が変わっていた。
記憶違いかもしれない。
○夢の中で布団に寝ていて、
何者かに髪の毛を齧られる。
視線を向けることが出来なかったが恐らく人形。
起床後も痛みが残る。
○金縛りに会う。
視線の先に人形。
○自分のものではない毛が
部屋の隅や風呂場で見つかる。
○人形廃棄後に押し入れから物音。
開けると人形の空箱が床に落ちる。
空箱も廃棄。
○無言電話が頻繁にかかってくる。
反応も息遣いも無く、
物言わぬ人形を相手にしているようだった。
試しに「お前は生きている」と言う。
すると相手も同じ言葉を幾度となく繰り返す。
ICレコーダーに録音した声と寸分違わなかった。
また次の話でお会いしましょう。