<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>変な女の人

昔だけど墓地で遊んでて
かくれんぼをしようって事になった。
(隠れる場所なんて殆ど無いのによくやったなと思う)

普通はみんなでかい墓の後ろとか茂みとかに隠れるけど
ヒロって呼ばれてた馬鹿が
納骨堂の扉をあけてその中に隠れて入ってたんだわ。

結局いくら探してもヒロが見つかんないから

「帰ったんじゃね?」

って事で
みんなで帰っちゃったんだ。

墓地から100mくらい離れた時だったかな。

いきなり墓地の方から物凄い叫び声が聞こえたんで
みんなで振り返って墓地のほうを見たんだ。

「今の悲鳴?」

「ヒロかな?」

「見に行こうか」

って話をしてたんだけど
戻ると坊さんに見つかりそうでヤバイって流れになって
そのままそこで待とうって事にした。

でも、
10分くらい待っても誰も来ないから
俺たちはそのまま帰った。

次の日
さすがにみんなで帰っちゃったのはまずいよなー
なんて思いながら学校へ行くと
ヒロはいつも通り教室にいた。

あまり元気がないような感じもしたけど
俺たちが帰っちゃった事を
怒っている様子でもなかった。

「あのさ、ヒロどこに隠れてたんだよ」

って聞くと

「ほら、
扉がついた小さな家みたいなお墓あったじゃん。
あの中」

って答えた。

「お前馬鹿じゃねーの。
お母さんに聞いたんだけどあれ、
その家の先祖とかの骨壷が
たくさん置いてあるとこなんだぞ」

って怒ったら

「あー白い壷とか置いてあったわ」

ってそっけなく答えられたんで
俺は頭にきて

「信じられねー」

って捨て台詞吐いて
自分の席に戻った。

そうしたら俺とヒロのやり取りを見てたのか、
一緒にかくれんぼしてた他の友達が来て

「何?やっぱり昨日のあの叫び声、ヒロだったの?」

っていきなり聞かれたんで俺は

「え?」

っと思わず言っちゃったんだ。

一瞬何を聞かれたのかわからなかったんだけど、

「ああ、そうだ」

って昨日のあの墓地から聞こえた叫び声を思い出した。

「やっぱりヒロだったの?」

「・・・いや、忘れてた。聞いてないや」

って言ったら

「何だよ・・・
あいつさ俺たちが聞いても
『知らない』ってとぼけてんだよ」

「あれ絶対ヒロだよな」

俺は昨日の出来事を思い浮かべながら
ヒロのほうを向いたらヒロと目が合った。

ヒロはなぜか目をそらして
下を向いてしまった。

その日、俺たちとヒロは何だか妙な関係だった。

お互いに話したいことがあるんだけれど
何だか近づいちゃいけないような。

学校が終わって
俺たちはヒロを除いていつも通り帰ったんだ。

友達と別れて一人で歩いてると
駄菓子屋さんの脇にヒロがいた。

俺はなんて声をかけていいのかわからんかったから

「何で先に帰っちゃうんだよ」

って言ったと思う。

そしたら

「○○(俺のあだ名)だけ大丈夫だから」

って言われた。

「・・・え?」

「他のみんなには言わないでね」

こいつは何を言ってるんだろうって思ったけど、
たぶん昨日の事だなって思ったし
ずーっと聞きたいと思ってたから
「うん」っていった。

「あのさ、昨日かくれんぼしようっていって隠れたじゃん」

「うん」

「俺さ、最初○○が朝言ってた
骨壷が置いてある家みたいなとこに隠れてたんだ」

「だけど怖くてすぐ出てさ、
他のところに隠れようとしたら
ケン(鬼だった奴)が近くにいたんだ」

「うん」

「だから俺、
しゃがんでケンがどっかにいくの待ってたんだんだけど
ケンの後ろにさ変な女の人がいてさ、
ずっとケンの後くっついて歩いてたんだ」

「ずっとケンのこと睨んでて。
俺怖くてずっと動けなかったんだ」

俺はなんかからかわれてるのかなって思ったんだけど
ヒロが真面目な顔して話してるんで
そのまま話をきいてた。

「怖くてずっと隠れてたら、
遠くで皆の声がしてるから
『みんな出てきたんだな』って思って
俺も行こうとしたんだけど、
あの女の人がみんなのすぐ後ろにいて
みんなの事にらんでたから、
俺動けなかったんだ」

最初は半信半疑で聞いてた俺も
さすがに怖くなったんで

「何で俺だけ大丈夫なの?」

って聞いたら

「○○だけはあの女の人がくっついてなかったし
睨んでなかったから」

って言われた。
(正直何で俺だけ大丈夫だったのか未だに不明)

「やっぱりあの時のでかい声ヒロだったの?」

「・・・うん。皆が女の人と出て行ってさ。
もう大丈夫かなって思って
別の出口から出ようとしたら
あの女がいて俺のこと睨んでたんだ。
俺、もうどうしたらいいかわかんなくなっちゃったから
走って学校に逃げたんだ」

結局ヒロは
俺たちが去ったあと学校へ戻って、
先生に気分が悪いから
親に迎えに来て欲しいって頼んで帰ったらしい。

一気にその事を話し終えると疲れたのか

「じゃあ、また明日ね。この話内緒ね」

って言って帰っちゃった。

長くなったんでまとめると
その後その話は誰にもしてない。

そのお陰でヒロと他の仲間との関係は悪化して
俺以外の奴とは誰とも話さなくなった。

ヒロはまだ何か隠してる事がありそうだったけど
高校の時バイクの事故で亡くなってしまったので
あの女の事は謎のまま。

また明日の夜にお会いしましょう。