<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>化け猫

俺が中学のとき、
捨て猫を拾ってきてしばらく飼ってた。

そいつが赤ちゃんのときから飼ってんのに、
全然なつかない。

気性も激しくて、
部屋中の壁も引っ掻き傷だらけになった。

さらにその猫を飼い始めてから、
実家で経営してる喫茶店の客が減りはじめたもんだから

「こいつは『招かない猫』だな」

なんて家族で冗談言ってた。

ところがその後、兄が交通事故、
さらには親父が保証人になってた債務者が夜逃げ。

立て続けに悪いことが起こって、
経済状況が悪化。

家庭内の空気も険悪になっていった。

家族同士の喧嘩も多くなって、
今思い返しても生涯で1、2を争う嫌な時期だった。

そんなとき親父の知人から、
霊能力が強いと噂のお寺の住職を紹介してもらった。

いっぺんにいろんなことありすぎたので、
藁をもすがる思いで、
とりあえず話を聞いてもらおうということになった。

数日後、
両親と俺の3人でお寺まで出向いて
その住職と会った。

お互いの挨拶が終わるや否や、

「猫飼ってるでしょ?」

って言われて両親びっくり。

特に親父は霊感あるらしく(自称)、
そのやりとりだけで住職の力を信じきってた。

俺は霊感もないし、

「どうせ親父の知人から聞いてて知ってんじゃねーの?」

って半信半疑。

住職は

「それ化け猫だから、お払いしてあげるよ」

って。

両親は真剣に聞いてたけど、
ガキだった俺は

「化け猫www」

ってむしろテンション上がってた。

1週間後、
住職に家まで来てもらって、
その猫をお払いすることになった。

ところがお払い当日、
住職が家に来る予定の30分くらい前から
突然その猫がいなくなった。

住職が到着してから、
そこら中探したけど見つからない。

住職が

「逃げたな…」

とか、
ぼそっと言ってたの憶えてる。

途中、
お茶とか飲みながら2時間くらい探したけど、
結局見つからなかったので、
お払いはまた後日にするということで、
住職は帰った。

するとその5分後くらいに、
ひょっこり猫が帰ってきた。

そのときは、
さすがに俺もゾッとした。

で、その夜。

電話でその話を住職にすると、

「私が直接お払いするのは難しい。
遠くの山に放しなさい」

と言われたので、
早速翌日そうすることに決めた。

こっからは俺も恐怖で記憶が断片的だけど、
なんとか状況説明してみる。

車で山に放しにいくことになったんだけど、
運転中に暴れられたら危ないということで、
カゴを買ってきて、
それに入れて連れて行くことにした。

で、親父が猫をカゴに入れるために、
抱きかかえようと近づいたとたん、
今まで聞いたことないような声をだして威嚇してきた。

その瞬間、
親父が床にどさっと倒れこんで動かなくなった。

パニくる俺。

猫はその間も、
毛を逆立てながらこっちを威嚇してた。

大人の男性が出すような野太い声で、

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん」

って吠えてるのでめちゃくちゃ怖かったけど、
なんとか俺が捕まえてカゴに押し込めた。

抱きかかえたときに、
目が真っ赤に光ってるように見えたけど、
多分恐怖のために混乱して見えた錯覚だろうと思ってた。

カゴに入れたら、
猫はあきらめたのか大人しくなった。

その直後、
親父もすぐに目を覚ましたので、
倒れたときの状況を聞いた。

親父が近づいた瞬間に
猫の目が赤く光ったかと思うと、
下半身の感覚がなくなって倒れこんだ後、
金縛りにあってたらしい。

結局、車で1時間以上かかる山に
キャットフード1箱分ばらまいて
その猫は置いて来た。

霊感ない俺の唯一の不思議体験。

また次の記事でお会いしましょう。