<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>信号待ちの先客

夜、会社帰りで
自宅近くの信号が青になるのを待っていた時なんだけど、
信号待ちの先客に若い女の子が一人いた。

夜で暗かったので
多少の色の違いはあるかもしれないけれど、
上は黒っぽい色の薄手のパーカー、
下はカーキ色?の短パン(カボチャパンツみたいな形のやつ)、
さらに蛍光紫?のストッキングで
靴が赤いハイヒールだった。

なんか色がごちゃごちゃしてるなー
と思って眺めてた。

その日は朝から雨が降っていて、
私もその子も傘をさしてた。

その子の傘は
黒地に銀色で星座がプリントしてあった
(関係ないが、私の傘は透明ビニール)

厨二病が疼く傘だなーと思いつつ、
今度は傘を眺めていたら、
視線に気付いたのか女の子がこちらを見た。

茶髪のボブで、
化粧はギャル風だった。

失礼ながら
つけまつげが多過ぎて
ちょっと似合ってなかった。

視線ががっちり合ってしまったので
軽くぺこっとしたら、
女の子は無表情で
こちらをじっと見つめ返して来た。

「じろじろ見てんじゃねーよ」

とか思われてるのかな…
と不安になっていたら、
前触れもなく女の子がにっと笑った。

一瞬、
歯がないように見えたが、
お歯黒してた。

ぎょっとしていたら、
女の子が歯をむき出しにしたまま前を見た。

つられて正面を向いたら
信号が青になっていて、
すぐにまた女の子の方を向いたら
女の子はいなくなっていた。

見晴らしのいい場所なので、
まさかあんな一瞬で遠くまで移動できたとも思えず、
ハイヒールだったのに
物音一つ立てずに素早く移動したというのも解せなかった。

なんとなくこのまま道路を横断する事を躊躇って、
私は信号を一つ見送ってから
次の青信号でそこを渡った。

少し歩いて自宅に着き、
鍵を開けてドアを開くと、
玄関にさっきの女の子のハイヒールと傘があった。

ん?と混乱して、
状況がよく理解できないまま室内に上がってみたけれど、
誰もどこにもいなかったし、
窓なんかの人が侵入できそうな所はどこも鍵がしまっていた。

おかしいなと思って玄関に戻ったら、
靴も傘もなくなっていた。

帰宅時に玄関は鍵がしまっていたし、
誰かの悪戯ってことはないと思う。

疲れて見た幻覚だったのかも…
でもあんなにはっきりした幻覚を見てしまったのが怖い。

また次の話でお会いしましょう。