<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>水電話

初めての修学旅行での話、
かなり古い思い出になってきたからぶっちゃける

たぶん中一の秋くらいだよな
修学旅行初体験って

場所もたぶん想像通り捻りもなく
他の学校と同じ

そこで泊まった旅館の話なんだけど、
4~6人組で一部屋だった気がする

しっかり覚えているのは洗面台

覗き込んで
「おーい」って言うと
違う部屋にいる子に聞こえて
返事がかえってくる

古い旅館だし
配管通して別の部屋の音が伝わっても不思議じゃない

それにそこそこ大声じゃないと会話にならないから
すぐに先生にバレてあんまり騒ぐなって注意された程度

だけど子供にはいい玩具で
どの部屋とどの部屋で会話出来るか
チェックして遊んでた

先生もたぶん毎度のことなんだろーから
少し注意するだけで大体スルーだった

問題は夜中に発生した

夜はテンション上がるとはいえ
流石に廊下にまで聞こえるほどの音量で
ヒソヒソ話はしない

自分たちは枕寄せて
普通にヒソヒソ話をしていたのに、
いきなり先生がはいってきて怒られる

「いい加減にしなさい!」

って

自分たちは不良(笑)でも優等生でもない
当たり障りない普通の生徒だったから
流石にビックリした

深夜に寝ないで小声でおしゃべりが
それほど先生を激怒させるものかと

でも先生はそう言った直後に
洗面台の方へ向かった

「ココで話してたのは誰か答えなさい」

と言う

それが水電話(確かそんな風に呼んでた)
のことだとわかったので
素直にやってませんと答えた

すると先生がマジギレして
鬼の形相で掛け布団を剥ぎ取って怒鳴る

ちょっと脱線して学校の話をすると、
うちはぶっちゃけると
幼稚園くらいから高校まで一貫の
受験校三ツ星レベルのいいとこってヤツだった

先生も生徒も基本お上品、
不良=髪をしっかり結ばないとか、
制服のベルトでスカート丈を短くしている、
成績が悪い(最重要項目)とかそんなので
卒業までたいしたトラブルはなかった

昼食の弁当の中に
果敢にも饅頭を詰め込んで食べているところを見つかり
HRでこれはお菓子扱いなのか(お菓子持込は校則違反)
弁当の範囲内で許可されるべきなのか
先生vs生徒で熾烈な言語による闘争が起こり

結果として売店で昼食時に販売されるものがすべて
「菓子」パンと呼ばれる部類であること
(惣菜パンは食中毒の問題とかで売ってなかった)
弁当箱に詰めて昼食の時間に食したということから、

昼食時においてのみ
「弁当箱に入っているのならば」饅頭も可
という判決を勝ち取るレベルのトラブルしかなかった

そういう環境にどっぷりだったから
あの先生の怒りようは初めて見るマジギレで
間違ってないと思う

文字通り自分たちは凍りついたまま、
先生は口調こそいつもの先生だったけど
行動がありえないくらい乱暴だった

腕をつかまれて

「さっきまでここで先生と話していたのは誰?」

と当時のあの部屋内のメンバーで
自分がリーダー格?だったことと、
実はこの水電話に気がつき
大はしゃぎで仲間引き連れてチェックし回っていたのは
何を隠そう自分だったので
先生が自分を犯人と決め付けていることに
今ならすごく納得がいく

だけどやってないものはやってないし、
涙溜めてやってませんって震える声で言うと
周囲も○○さん(自分)はやってません!
ってフォローする

こっちが必死に泣くのを堪えてるのに
背後では誰かがすすり泣きはじめ、
ようやく他の先生が合流

興奮するA先生(怒鳴り込んできた方)と
騒がしいからやってきたB先生と
その後ろに別部屋の子が二人ほど

先生同士の会話で
なんとなく状況を理解した

発端はもう一方の部屋で
夜中に洗面台から声がして眠れない怖い
という報告をA先生が受けた

A先生はどうせあの水電話だろうとわかってて、
とりあえずその洗面台を通して注意してやろうと
生徒と共に部屋へ

洗面台から聞こえてくる気味の悪い声と
先生が何を言っても怯まないことで
「悪質すぎるいたずら」と判じた先生は
一路この洗面台と繋がってる部屋へ

そこが自分らの部屋なわけだが
それでも僕はやってない。

本当にA先生は
普段のお上品っぷりが嘘みたいに興奮してて、
たぶんそれだけでヤバいのはA先生の方と思ったB先生が
A先生を連れて教師の泊まる部屋へ

次にC先生が来て
本当にやってないのかと聞かれ
やってませんと答えると

「今夜はもう寝なさい」

とか言って放置された

翌日、
A先生だけ強制送還の知らせ

説明もなしで消化不良だったから
例の部屋の子とっ捕まえて事情を吐かせる

と言ってもあまり情報は増えず、
夜中に洗面台から声がしたから
○○さん(自分)だと思った

近づいたら日本語か?と思うような言葉が
お経みたいにのろのろと聞こえてきたので
怖くなって先生を呼んだ

先生はしばらくソレと会話しようとしてたけど
おかしくなり始めていきなりキレた

この向こうにいるのは誰と聞かれて
○○さん(自分)ですと言った。

そもそもチェックして回ってたのが自分だし
仕方ないんだけどね

先生、来襲

こんな感じ

その後が滞りなく終わったけど、
A先生はこの修学旅行以来キレやすくなったように
子供心に感じた

保護者会でも問題になったらしい

結局、中学卒業を前に
A先生も学校を辞めてしまった

同窓会を開く折に
自分もその幹事の一人を務めたのだけど、
A先生とは連絡つかない&現在の連絡先の情報皆無

同窓会で集まって昔話に花を咲かせていて
修学旅行のネタが出た時も
自分ともう一人がこの話を蒸し返したけど
不思議なことに反対側の部屋にいたはずの人たち(当事者)が全員不参加で、
参加していた先生ですら

「そんなことあったっけ?」

と盛り上がらないまま次の話題に移った

別れる前にどうしてもと思って
絶対何か知ってるであろう先生を捕まえて
あの夜のことを聞こうとしたら

「あなたたちのいたずらじゃないことはわかってるから心配しないで」

と誤魔化された

そこんとこは別に心配してないけど、
先生が何を持って「心配するな」と言ったのか
深い意味があるならぜひ知りたいもんだ

反対側の部屋にいた一人のことは最近、
親づてで状況を知った

長いこと欝を患って働くことも出来ず
大学を途中退学して、人生も途中退場してた

親同士の方が情報交換盛んだったりするから、
今後も他の面子がどうしてるか、
A先生がどうしてるか調べていこうと思う

濡れ衣着せられかけたからっていうか、
あの時のA先生の形相が今でも忘れられない

また次の話でお会いしましょう。