<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>窓から覗くおじさん

最近の話。

先々週の日曜、居間で昼寝してた母親が
真っ青な顔で私の部屋に来て

「変質者が出た」

って言ったのね。

居間には2つ窓があるんだけど、西側にある、
胸の高さから天井まである方の窓から見えたんだって。

変質者は男で、額の上に手を置いて
(ヒサシを作って)窓に顔を付けて、
部屋の中を覗いてたんだって。

見えたっていうより、
覗いてた男と完璧に目があっちゃったらしいんだけど。

で、その窓は庭に面してるから、男は門を通って
(あるいは塀を越えて)庭に入ったってことになる。

びっくりして私も居間に行ったんだけど、男はもういなかった。

外に出て確認もしたけど、門は閉まってるし、
塀の上にもプランターがびっしり並んでて、

どう考えても人が入った形跡はない。

結局寝ぼけてたんだろうってことになった。

で、先週の日曜日の昼間、そんなことはすっかり忘れて、
私一人で居間で雑誌読んでたんだけど、
ふと手元が暗くなって、曇ってきたのかな?って思って例の西側の窓の外を見た。

そしたら、いたの。スーツ着たおじさんが、手でヒサシ作って中覗き込んでた。

今でもはっきり覚えてるんだけど、目の下に大きなシミがある、
50~60歳くらいの白髪交じりのおじさんだった。

おじさんは台か何かに上ってるらしくて、
窓の下縁は胸の高さのはずなのに、股の下まで見えた。

見下ろしてるから余計恐かった。

おじさんの鼻の前のガラスが息で曇ってきて、
マジで変態だ!って思って寒くなった。

悲鳴あげなきゃって思うんだけど、恐くて声も出ないし、目も逸らせない。

なんて言うか、悲鳴あげるタイミング失ったって感じかなぁ。

どうしようって泣きそうになってたら、
おじさんの後ろに父親の姿が見えた。

庭で土いじりし終わって家に戻ろうとして、
その窓の前を通ったみたいなのね。

父親がふと立ち止まって、こっちを見た。

ああ、助かった!って思ったんだけど、
父親はおじさんを見上げるだけで何もしない。

なんで?って思ったと同時に、
おじさんは凶器を持ってるのかも!って思った。
(丸腰で両手使ってヒサシ作ってるんだからそんなはずないんだけど、
その時はなぜかそう思った)

ああどうしようって思ったら、父親の視線に気付いたらしく、
おじさんは窓に手を添えたまま、ぐるっと後ろ(父親がいる方)を振り返った。

その時お父さんが殺される!って思った私は、
発作的に読んでた雑誌を窓に向かって投げた。

でも雑誌の方向が悪くて、窓に当たる前にベロっと開いて落下、
しかも窓の下の棚に乗せてあった写真立てに当たって、
写真立てが落ちてしまった。

その時初めておじさんから目を逸らして落ちた写真立てを見たんだけど、
はっと顔を上げるともうおじさんはいなくて、父親の姿もなかった。

なんかあったのかも!と思って大声で2階にいた母親呼んで、
母親が降りてくるのを待たないまま電話の受話器持って(110番しようと思った)外に出たら、
玄関の前で軍手の土払ってる父親がいて、「どうした?」って驚いた顔で私を見た。

で、ちょっと興奮気味にことのあらましを説明すると、一言、

「誰もいなかったよ」

って。

そんなはずない、お父さんも見てたでしょ、
窓におじさんがいたでしょ、と言うと、

「いや、窓の1カ所が曇ってたから、おかしいなぁと思って見てたんだよ。
しばらく見てたらすぐ消えたけど」

と答えた。

だから人なんていなかった、って。

で、よくよく考えてみたんだけど、
例の窓の外下って、いっぱい植木が置いてあるのね。

先々週庭を見て回った時は、なんとも思わなかったんだけど、
さっき見たおじさんの高さになるような踏み台を置けるわけがないんだよね。

置けたとしても窓と距離ができて、
とてもじゃないけど顔をつけることなんてできない。

それ考えてすんごい恐くなりました。

結局父親が一応という形で派出所の人に連絡して、
うちの周りを見回ってもらったんだけど、
その一帯に変質者の被害届なんかもなかったんで、
酔っぱらい(昼間から・・・?)のいたずらだろうってことで片づけられてしまった。

植木のこと話しても、君の錯覚で、
男は窓から少し離れていたんだろうって言われてしまったし。
(時間軸の誤差〈私が見てた時、父親は見てない〉は何だかんだと理由つけてスルーされますた)

母親と2人きりの時におじさんの特徴を話し合ったんだけど、
どうやら同じ人物だったみたい。
(母親は目が合ってすぐ私の部屋に逃げてきたみたいだけど、目の下のシミははっきり覚えてた)

なんか今となっては夢のようで、
どんどん現実味が薄れてきてるんだけど、

とにかく人生最大の恐怖体験だったことは確か。

今でもちょっと恐いので、明後日は1日中出掛けていよう、と思ってる。

また次の話でお会いしましょう。