<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>首長リーマン

実体験ではないです。

知り合いに聞いた話をそのまま書き込みます。

終電の一個前の電車に乗ってた時のこと。

電車内には俺と、
右斜め前の対角線上の席に座っている、
酒を飲んでる汚いおっさん一人。

電車ん中で酒飲むなよと思ったけど
臭いも届かないし
まあ良いか~って感じで携帯見てすごしてた。

ちょっと恋愛関係で
良いことがあった帰りだったもんで…

ずーっとそのおっさんと二人だったけど、
ある駅に停車した時、
おっさんの近くのドアの外側に
一人のリーマンが立ってるのが見えた。

別に気にもかけずにそのまま携帯見てたら、

「なに見てんだよ」

って急に言われた。

機械的な声。

ビックリして目をあげると、
そのリーマンのニヤニヤ顔がすぐ近くにあって、
俺の携帯を覗き込んでいる。

うお、何だこいつ
ってめちゃくちゃビビりながらよく見ると
第二の衝撃。

リーマンに体が無い。

っていうか、
"ここに"無い。

見ると、
体をホームに置き去りに、
ろくろ首みたいに首だけ伸ばして
電車内に入ってきていた。

酒を持ったまま固まっているおっさんが目に入る。

おっさんも明らかにリーマンが見えている。

リーマンの顔に目を戻す勇気がなくて、
暫くおっさんと見つめあっていると、
電車が閉まる音楽が鳴った。

車内に入ってくる気は無いのか、
その首長リーマンの顔が

「いいいいい~」

って笑いながら
スルスルと車内から出て行く。

良かった~と安心していたら、
首が完全に出る直前に、
閉まっちゃったんだよね、ドア…。

車掌さん、
あんたリーマン見えてないの、
何で閉めるの…って今では思う。

ろくろ首じゃなくて、
ゴム人間だったのかな。

伸びた首がドアに潰されて
ペチャンコになりながらも、
リーマンはニヤニヤ笑っていた。

電車が動き出す。

挟まった首は
ビヨーンと伸びてついてくる。

窓の外に、
棒立ちのままのリーマンの体が
後方に流れて行くのが見えた。

「いいいいいいいいいいいいい!!」

奇怪な笑い声をあげながら
顔を左右にビチンビチンとドアに打ち付けて
なおついてくるリーマン。

もうやめてくれ!
って思いながらしばらく震えていると、
伸び縮みの限界が来たのか
ドアの隙間をスポんっ!って抜けて
夜の闇に消えて行った。

その後すっかり酔いが醒めた様子のおっさんと
震えながら次の駅で降り、
なんやかんや二人で飲みに行くことにした。

間近で顔をブンブン振られていたおっさん。

俺の何倍も怖かっただろうな。

連絡先は交換しなかったけど、
元気にしてるだろうか。

また次の話でお会いしましょう。