<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>人の影

あれは私がまだ子供だった頃。

 

庭付き一戸建ての二階にある2つの部屋のうち、
一つが私と妹、もう一つが父と母の部屋だった。

 

母は普段は父と寝ていたが、
夏場は父母の部屋は異常に暑くなるので、
私と妹の部屋に、女3人で雑魚寝をしていた。

 

その日も暑い夏の夜で、
入り口側に私と母、奥に妹が寝ていた。

 

そしたら、母が
「ヒロちゃん」って恐ろしげな声で私を呼んだ。

 

霊も怪奇現象もUFOも信じない母が。

「何?」

って言うと、

「タンスに影が映っとる」

というのだ。

タンスは廊下に置いてあったが、
入り口の引き戸は暑くて開けっ放しなので、
すぐ正面に見える。

なので、少し顔を上げると、
確かに影が映っていた。

それも、

「なにかの影が映ってるのが角度によって人に見える」

のではなく、明らかに人の影。

しかも立っている人の影だった。

怯えた口調で母が言う。

「ねえ、あれ誰の影でもないよ。
今ここに、立っとる人おらんもん!」

そうなのだ。

妹は既に寝ているし、
母も私も布団に横たわっている。

にも拘らず、影は真っ直ぐ直立し、
豆電気の薄明かりの中微妙にゆらゆらと動いていた・・・。

ゾっとした。

目の錯覚だと思い込もうにも、
部屋の中にそんな形の影が映るようなものはなかったのだから・・・。

一緒にビビると本当に怖くなってしまうので、

「何かの錯覚だよ」

とか何とか言って寝た。

後ろを振り向くことは怖くてできなかった。

あれから二度と影が見える事はなく、
特に何事も起こらなかったけど、
冷静に考えてみれば、
凄くゾッとするできごとだったな・・・。
 
また明日の19時にお会いしましょう。