<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>頭

夏に彼女と江ノ島へ旅行に行った時の話なんだが、
真夏の炎天下の中、
江ノ島のあちこちを歩き回るような過ごし方をした。

足場の悪い階段状の岩場を上がったり下がったりと
半日かけてそんな観光をしてたもんだから
旅館に戻る頃にはくたくたになり、
晩飯を食べ、風呂につかり布団に入ると
二人ともすぐに寝てしまった。

眠りについて1時間ぐらいたった時だと思うが、
仰向けに寝ていると
耳元でごぽごぽだかこぽこぽといった
水が湧いてくるような音がきこえた。

まぁ江ノ島の島内にある旅館なんで
窓の外には海が広がってるし、
水気はあるんだが、
水が湧くような事に心当たりがない。

寝ぼけながらも、
どうなってるんだと思ったんだ。

起き上がろうとすると、
どうも身体が重い。

ああー疲れてんなぁーなんて思いながら
右肩を上にするように寝返りをうったんだ。

ちなみに布団を二つ並べて俺の左側に彼女が寝てる状態なので
上の感じに寝返りをうてば彼女の寝顔が見れる状況ね。

まぁそんなもんで、寝返りをうち、
ふと彼女の方に目をやるとさ

俺の頭と彼女の頭の間、
ちょうど枕一個分のスペースがあるんだけど
そこにもう一個、頭があるのね。

何かの見間違いだろうと、
目を凝らすけどやっぱり頭なんだ。

体はなくて。

丁度寝ている彼女の顔の高さと同じくらいの位置で浮いてるの。

それがゆっくり、くるくる回ってるもんでさ

俺は怖さよりも状況が分からずぽかんとしてた。

豆電球にしてたから
白い枕カバーやらシーツなんかは
うっすらオレンジ色で照らされてるんだけど、
その頭は殆ど白に近いような灰色の顔色だった。

それがすごく印象的だった。

髪の毛は細く艶やかだけど清潔な感じはしなかった。
なんか、じっとりというかベターって張り付く感じかな。

それが、くるくるくるくるとゆっくり回っててさ。

しばらくぼーっと見てたら、
ふと目が合ったんだ。

なんか直感的に、
やべって思ったのね。

今までどこを見ているかも分からなかった空虚な表情だったのに、
目が合った瞬間にじわじわと笑顔に変わったんだ。

その顔が以前ネットの画像で見た
アンドレイチカチーロの笑顔そっくりで、
ものすごく怖かった。

特に目元はそのまんま、
けしてプラスの感情から作られるような笑顔じゃないの、

狂気というか
狂喜って言葉がすごく当てはまるような表情をしてた。

その表情で顔を凄まじく横に振るわせるんだ、

もうこ刻みにブルブルブルブルブル!!って。

残像で首が二つあるんじゃないかってぐらい。

流石にここまでくると恐怖を感じて動くに動けず、
ただ、その頭を見ている事しか出来なかった。

どれくらいの間それを見てたかは分からないけど
気がついたらそれは消えていた。

あれー?なんて思ってさ、
ひょっとして起きたつもりでも寝ぼけてて
夢でも見たのかなーなんて思ったら、
耳元でさ

「みあたらないけど、
それも、らしくないわね、
だから◯◯◯◯でも◯◯がしずむ◯◯」

って絞り出すような声色で聞こえた。
※◯の部分は覚えてないところです。

はっと心臓が止まりそうな程驚いてさ

思わず振り向いてしまったんだ。

そうしたらさ、朝になってたんだよ。

眠りに入ってから1時間程だから、
その頭を見たのは0時とか1時代だと思うんだけどさ。

そのうえ部屋の腰掛けるタイプの椅子に座ってたんだ。

自分自身、
今まで布団にいたはずなのに
何故椅子に座っているのかさっぱり分からなかった。

そうこうしてると
布団で寝てた彼女が目を覚ました。

椅子に座ってる俺を見て、

「ちょうど夢で頭のない着物姿の人が
そこの椅子にずっと座っている夢みた!!」

と教えてくれた。

この旅行後、
これといって怪現象も起きる事なく
俺も彼女もなんら変わりはありません。

また次の記事でお会いしましょう。