<最怖>不釣り合い
いつもの様に車で会社に向かう途中
大きな交差点の信号に捕まったんだ。
信号待ちで暇を持て余してると
同じく信号待ちをしているハイエースに目が止まった…
丁度フロントガラスが見える辺り
斜め後ろに止まっていたそのハイエースには
運転席、助手席、そしてその間にもう一人座ってる人が居た。
見るからに土方の人達が乗り合わせてる車なのに
その運転席と助手席の間に座ってる人は女の人だった。
不思議に思いながら良く見ると、
その女の人の目は黒目しかなく
体をユサユサと揺らし口元は何事かを呟いてた。
どう見ても常軌を逸してる感じ。
唯、俺は全くの零感だったので
この時点では、
その女が霊だなんて思いもしなかったんだ。
だから異様な光景を信号が青になるまで観察してた。
そして青になる瞬間、
耳元で声がした。
「乗せてくれるの?」
そう女の声が聞こえたと同時に全身に寒気が走り
横を過ぎるハイエースの助手席の窓には
笑いながらこっちを見ている女の顔があった。
今でも顔と声が脳裏に焼き付いて寝れない…
また明日の19時にお会いしましょう。