<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

MENU

<最怖>質問

私は、ある晩夢を見た。 

家の前に一台の霊柩車が止まり、
男が降りてきて、私に言う・・・ 

「もうお一人様乗れる余裕が御座いますが、
いかが致しますか?」 

そこで私は目を覚ます。 

不思議な事に、その日から、
毎晩同じ夢を見るようになった。 

霊柩車でやって来る男は、
毎晩私に同じ質問をしてくる。 

「もうお一人様乗れる余裕が御座いますが、
いかが致しますか?」 

少し気味が悪いと感じながらも、
まあ、そんな事もあるだろうと、
私は気にせずにいた。 


ある日、私はデパートへ買い物に出かけた。 

一通り店内を見て回り、
最上階のレストランで昼食を済ませ、 
そろそろ帰ろうかとエレベーターの前まで来ると、
多くの人がエレベーターを待っていた。 

私は心の中で舌打ちをする。 

(この人数では一回で乗り切れないかもしれないな・・・) 

そんなことを考えている間に
エレベーターが最上階に到着した。 

客達が次々にエレベーターに飲み込まれて行く。 

私が乗り込む番になる。

見た感じ、エレベーターは満員だ。 

しかし、重量オーバーを告げる
不愉快なブザーは鳴っていない。 

どうしようか?と思案していると、
エレベーターガールが微笑みながら、
私に言った・・・ 

「もうお一人様乗れる余裕が御座いますが、
いかが致しますか?」 

ドキッとした。

毎晩、夢に出てくる霊柩車の男と、
まったく同じセリフだ。 

「いえ、結構です」

私は反射的にそう答えていた。 

エレベーターガールは丁寧に頭を下げると、
ゆっくりエレベーターのドアが閉まっていった。 

次の瞬間、金属が引きちぎれるような音と、
凄まじい轟音。

数秒後に地震のような激しい揺れ・・・ 

・・・エレベーターは地下まで落下していた。 

エレベーターに乗っていた客と
エレベーターガールは即死だったそうだ。 

その日以降、
私が再び、あの不思議な夢を見る事はなかった。 

 

また明日の19時にお会いしましょう。