<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>ドアを開けようとするもの

七月の半ばに差し掛かっても
なかなか雨が抜け切らない、時期の話です。

 

ヘビースモーカーだった自分は、
禁煙を公言して3年以上煙草をやめていました。

 

でも新しい仕事場での勤務がきつく、
疲れとストレスから
同棲している彼女に隠れながら
少しだけ煙草を吸い始めていました。

 

吸っても怒られるということは無いですけど、
なんとなくばれるのが嫌で、
仕事に慣れてしまえばまた禁煙も出来るだろうと思い
なるべくばれないようにしていました。

 

いつものように深夜、
マンションの廊下で煙草を吸っていました。

 

最上階で角部屋なので
人が来ることもほとんどないのです。

 

部屋の中やベランダで吸えない自分にとっては
そこが一時のオアシスです。

一服し終えて
吸殻を始末して部屋に入りました。

中で寝ている彼女を起こさないように
ゆっくりドアを締め、鍵をかけました。

その鍵をかけたか、
かけていないかくらいの瞬間。

尋常ではない勢いで
ドアノブががたがたと揺さ振られました。

部屋のドアは一部がすりガラスになっていて、
外の様子が見えるのです。

明らかにそこには大柄な人間が
必死にドアを開けようとする姿が映っていました。

思わず情けない叫び声が出てしまい、
彼女が飛び起きて来ました。

彼女に眼前の状況を伝えようとしましたが、
そこには何の異常もないドアしかありませんでした。

煙草を吸っていたときには誰もいるはずがないんですけど、
一体なんだったのでしょう?

鍵がかかっていたことで諦めて、
ダッシュで逃げたんでしょうかね?

あとで考えれば考えるほど本当にぞっとします…

今は複製のできない鍵に換えて、
必ず絶対に鍵をきちっと締めるようにしています。
 
また明日の19時にお会いしましょう。