<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

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<最怖>みちかさん番外編

僕には霊能者もどき?の親戚がいる。

通称「みちかさん」。

今現在北海道在住である。

今度の話は、どちらかというと
僕の体験談である。

大学を卒業して就職した後、
いろいろあって会社を辞め、
僕は北海道のA市に住んでいた。

みちかさんは、たまたま用事で
A市の近くまで来たので、
隣の市で一緒にお茶をしよう
ということになった。

時期は冬。
その時の彼女の用事は、
ある一家をみることだったが、
その話は別の機会にしよう。

その話を聞いていた時、
みちかさんが、

「アレ・・・。」

っとあごで外を見るように促した。

見ると向こうの通りに
高校生くらいの白人が歩いていた。

「なんなのかなあの子。やばいかも。」

全然やばくない。

ただ横断歩道を渡っているだけだ。

「白人の子が珍しいんですか?」

札幌や海沿いの都市などを除けば
北海道には確かに外人は少ない。

「そうじゃないって。確かに珍しいけどさ。
ちらっとしか見えなかったけどね。
あの子やばいもんが憑いてる。」

やばいもの?まさか、白人にも?

宗教も違うだろうし、いくらなんでも。

僕は彼女の発言が信じられなかった。

「何その顔?疑っている?」

「いえ、別に。」

「あんた英語少しできるよね?
今度会ったら、話しかけてごらんあの子に。」

は?僕はますます疑念を抱いた。

白人というだけで英語が通じるわけではない。

ロシア語なんてしゃべれないし。

「話すチャンスなんて無いでしょう。
僕はそんなにこの市に来ないし。
英語も通じるかもわからないし。」

「そうね。」

と彼女は少し笑って、

「でも・・多分また会うよ、あんたは。」

とみちかさんは妙な事を言うのだった。

そんな話をすっかり忘れていた頃、
たまたまちょっと必要な本を
隣の市まで買いに行った時、彼がいた。

さすがみちかさん。

胡散臭いだけのことはある。

彼は本を探しているようだった。

みちかさんに言われたのもあり、
オージーアメリカ人ぽかったので
最初は英語で声をかけてみた。

「Hello? Is there anything I can do for you?」

「Oh, Yes! I'm jsut looking for some books on Japanese religion.」

僕もわからないので店員に聞くと

「そこですよ。」

と教えてくれた。

そしたら、日本語で

「あ、そこか。どうも!」

と日本語を喋った。

驚いた僕は、日本語でいろいろ聞いてみた。

彼はChris(仮名)と言い、
アメリカのU州出身でキリスト教系の
XXXX教の布教活動で日本に来ているとのこと。

彼は僕にお礼を言って足早に去っていった。

特にあやしい感じはしなかった。

彼の手の甲に無数の引っかき傷があったこと以外は。

2回目に見たのは、
A市からちょっと離れた森の近くだった。

僕は雪のせいでゆっくりと車を走らせていた。

彼は何やらビニール袋を手に持っていた。

彼とは反対側の方向で走っていたが、
目があったので、軽く右手をあげて挨拶した。

ところが、彼は微笑みもせずジッとこちらを
睨んでいた。理由はわからなかった。

3回目に見たのはA市の横断歩道だった。

そのときはちょっと話した。

前回のことを聞こうと思ったが、

「一度教会の方に来ませんか?」

といきなり尋ねてきた。

僕は宗教関係に一切興味はないので断ったところ、

「じゃあ個人的にでも。」

というので、

「今度ね。」

と家の電話番号を教えておいた。

紙を受け取ると「See you again!」と別れを告げたが、
目はまったく笑っていなかったのを覚えている。

彼の約束など別にどうでもよかったが、
しばらくすると、家に電話がかかってきた。

「もしもし?」

「あ、XXさんですか?私、Anna(仮名)と言います。
Chrisさんに電話番号を教えてもらいました。
是非一度教会に来ませんか?
英会話教室もやってますし。」

「えっ、Annaさんって?Chrisはどうしたの?」

「彼はアメリカに帰りました。」

「???何で?」

彼女は理由を言わなかった。

彼女の電話の様子から、
僕にかけたのはただの布教活動の一環のようだった。

気になるので教会に一度顔を出した。

そこには、Annaさんともう一人の若い白人、
日本人の神父さんだか牧師さん、

あとは日本人の信者の人たちがいた。

適当にお祈りや英会話教室をやり過ごした後、
僕は日本人の神父さんだか牧師さんだかに
Chrisのことを聞いたが、

アメリカが恋しくなった」

と言う。

僕は彼の態度に疑問持ったので、
帰り際Annaさんに問い詰めた。

「Chrisは何で帰ったの?ホームシックじゃないでしょ?」

彼女は最初躊躇したうおだったが、小声で答えてくれた。

だが返答は英語で返したきた。

「彼は狂ってるわ。私達、彼とうまくやっていけなかった。
2週間前の夜、私は教会に忘れ物をしたから取りに行った。
そしたら、どこかで猫が激しく泣いている。
裏庭にいったら、猫の首を絞めている彼を発見して、
『一体何やってるの!?』と聞いたの。」

「そしたら彼、
『こうするのが一番いい方法なんだ。
僕にとっても、やつらにとってもね。』
って言うの。あの青白い顔でね。
後でわかったんだけど、もう何十匹も殺してたみたい。
裏庭に猫の死体とか骨とかが一杯埋まってたから。」

「私はとても怖くなって逃げた。
すぐ教会のWさんに電話したの。
『Chrisが裏庭で猫を殺してたっ!』って。」

そして一週間後、彼はアメリカに帰されたらしい。

懺悔するよう促されたが、彼は頑なに拒絶したそうだ。

Annaは最後にこう話した。

「私はChrisに聞いたわ。何故猫を殺すのかと。
彼はこう答えた。

『選択の余地はなかったんだ。
やつらが大嫌いだったから。』

猫が嫌いなの?

『猫が嫌い?猫は身代わりだよ。』
『俺は敬虔なXXXX教徒だよ?この意味わかるだろ?』
『けどそれも時間の問題だったかもな。』」

Annaが語ったChrisの発言。

「This is the best way! For me and 'em!!」

Annaが語った時、最初僕は「'em」が「猫」だと思っていた。

可能性は低いが、
もしあれからChrisと個人的に会っていたら・・・。

みちかさんにこの話をすると、

「ほらね。」

と返ってきた。

なにが”ほらね”なのかは聞かなかった。

また次の記事でお会いしましょう。