<最怖>この世で最も怖い話まとめ

この世で最も怖い話をまとめています。毎日19時20時21時に1話づつ投稿。あなたを恐怖のどん底に落し入れます。朗読もはじめましたのでそちらもどうぞ。

MENU

<最怖>普段より大きなアパート

俺が中学の時に
隣の同級生の父ちゃんから聞いた話

その父ちゃんは前から霊感ってやつを持っていたらしい
(以下、父ちゃん=Aにする)

Aは小学生の頃、
鉱山で働いている父に毎日弁当を届けていたんだと

話によると
家から鉱山までの距離はそれほど遠くなく
一つ竹やぶを抜けると
鉱山で働いている人達のアパートがあり
3階建てだったらしい

アパートの各部屋には
その階の番号と部屋番号が書いてある木札が掛けてあって
どこの人かが分かるようになっていたんだわな

[2-3]とまあこんな感じで

これだと2階の3号室って事になるわけだ

そこの管理人さんにいつも弁当を渡していたんだが
ある日、Aがいつものように弁当を管理人さんに届けようとすると
アパートが普段より一回り大きいことに気が付いた

何度見ても普段より大きい

数えてみると6階もあったんだと

でもその増えた階には
人の気配はなかったそうだ

正確には人じゃない何かがいる気配を感じたらしい

すると5階の窓が開き
おじさんがこっちを見た

よく見る人だった

父さんがよく家に連れてくるいつものおじさん

おじさんはAに向かって

「おぉ今日も弁当届けにきたんか、偉い偉い」

とだけ言い部屋の奥に入っていった

Aは存在する筈が無い階からおじさんが出てきたもんだから
少し驚いたがその時小学生ということもあって
すぐ切り替えができた

その次の日

また弁当を届けに行くと
やはりアパートは3階に戻っていた

さすがにおかしいと思い

管理人さんに聞いてみると
少し間が空いてから
そんなことないだろうと笑われ
全く話を聞いてくれなかった

確かに自分の言ってることはおかしい

だけどそれを誰かに話さずにはいられなかったんだろうな

Aは父に同じ事を話したんだと

アパートが6階あったこと、
ある筈のない5階から
よく見るおじさんが話しかけてきたこと

すると父は少し黙ってから
静かに話し始めた

「実はなおじさんは仕事中の事故で亡くなったんだよ。
でっかい石が落ちてきてな、
あいつはお前のことを可愛がっていたから
最後に会いたかったんだろうな。」

鉱山の事故で人が死ぬ事は少なくない

もしかしたらその増えた分は、
亡くなった人が成仏できるまで住んでいる部屋だったのかもしれない

Aは子供ながらにそう考えた

気が付くとも
う夕方だったいつもより少し寂しい景色だったと
Aさんは言っていた

その日はAの大好きなカレーだったらしく
急いで帰っていると
竹やぶに何かひっかかっている物を見つけた

すれ違いざまに見てみるとそれは木札だった

その木札には間違いなく
[6-3]と書かれていたらしい

また次の記事でお会いしましょう。